リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

マドリード行ってきました

12/25、ロシア軍合唱団アレクサンドロフ・アンサンブルを乗せた航空機がソチ沖で事故。メンバーのほぼ全員を失うという前代未聞の悲劇がありました。
外国人ながら、このアンサンブルの熱心なファンでほぼ追っかけ状態だったフランスの友人を介して知った悲報は、本当に信じられないものでした。
プーチン大統領は26日を服喪の日とする、と発表しました。私などがお悔みの言い様もないのですが、亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

12/16から21まで、マドリードに行ってきました。
テアトロレアルの《さまよえるオランダ人》の公演を観るためです。*1
テロ事件が相次いでいるため、人が多く集まる広場では警備がものものしく、一人歩きの私には逆にちょっと安心感があるかなと思いました。
体調を崩したため、予定していた場所には行けなかったのですが、人との出会いには恵まれました。
かえすがえすも残念なのは、DVD録画になる映像収録の公演をfavouriteがキャンセルしてしまったことです。
(彼の《オランダ人》の映像ほしい…。私の記憶のなかにどんどん貯まっていくだけなんだろうか)

*1:ダブルキャストで、私のfavouriteが入っているチームの公演の一回目と二回目のはずでしたが、favouriteは二回目と三回目を体調不良でキャンセルしたため、ダブルキャストのS. Younのも一度見ることとなりました

祝・ユロ兄初来日、その他

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辻井伸行 ユロフスキ指揮 ロンドンフィル | 東海テレビ

ついにユロ兄ことVladimir Jurowski が来日(予定)。弟子格のコチャは先に来てるし、Kiril P.は来年バイエルンと来るから、私が聴きたい指揮者で来日してないのはクレ(Teodor Crrentzis)さんかな。

ユロ兄といえば、コンサートの前にしばしば作品についてのレクチャーをしてくださる。「Добрый вечер……」と、素敵な声で話しはじめるとなかなか終わらない。日本の場合は時間がけっこう厳密なので、他のインタビューとかで思う存分語っていただく機会があるといいと思う。

   ↓  こんな感じで実に有意義なレクチャーがあるのだ。 

lyudmila-galahad.hatenadiary.jp

困ったのは大人気ピアニスト辻井氏がピアコンのソリストだってこと…。きっぷが取りにくいのではないかと心配。

 先日はアムステルダムコンセルトヘボウで、オランダプレミエの《セミヨン・コトコ》コンサート形式上演が、ユロ兄の指揮であった。
作品の力もさることながら、独自のバージョン公演は素晴らしいものだった。アムステルダム在住で、演奏会に行った友人たちも*1 とてもいい演奏だったと言っていた。
ライブ放送の録音は例によって、youtubeチャンネルにアップした。その前にいくつかマリインスキ劇場のステージ付きのクリップをアップしてあるので、比較していただきたい。私はマリインスキのを繰り返し聞きすぎてるので、アムステルダムのは役の声にちょっと違和感がある。


S. Prokofiev: Semyon kotko

*1:ひとりは私が「この演奏会超おすすめ!」と言ったら、なぜか私も行くと勘違いしてきっぷを2枚買ってしまっていた。悪いことしちゃった。

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近況いろいろ

近況をささっと記録しておく。

ウィーン国立歌劇場来日公演《ナクソス島のアリアドネ》

今回も棚ボタ式鑑賞。優しいおともだち、ありがとうございます。

Dirigent:Marek Janowski

Regie:Sven-Eric Bechtolf

Der Haushofmeister:Hans Peter Kammerer
Ein Musiklehrer:Markus Eiche
Der Komponist:Stephanie Houtzeel
Der Tenor (Bacchus):Stephen Gould
Zerbinetta:Daniela Fally
Die Primadonna (Ariadne):Gun-Brit Barkmin
Harlekin:Rafael Fingerlos
Najade:Maria Nazarova
Dryade:Ulrike Helzel
Echo:Lauren Michelle *1

今回の来日公演はこの《アリアドネ》《ワルキューレ》《フィガロの結婚》の三演目がやってきた。
その中で《アリアドネ》は、きっぷの売れ行きが悪く(だから私も行くことができたのだが)後からエコノミー券も追加で出ていた。
でも《アリアドネ》はモーツァルト、ワーグナーの音楽要素も楽しめるお得な演目じゃないかな、と思った。舞台もウィーンではBechtolfのものばっかりだが、その中でも秀逸な部類に入るだろう。歌手も「豪華版」だった。

*1:このお方、スレンダーで美しい。しかもお着物をお召しで楽屋口から出てらした

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Don Giovanni at the MET 08102016

昼公演の《トリスタンとイゾルデ》の後、《ドン・ジョバンニ》を観ることにした。
当日で、ファミリーサークルの1列目真ん中というなかなかお得な席を購入できた。
昼とはうってかわって女性率が高いし、席の位置のせいか観客の平均年齢も下がったような気がした。

Conductor: Fabio Luisi

Donna Anna: Hibla Gerzmava
Donna Elvira: Malin Byström
Zerlina: Serena Malfi
Don Giovanni: Simon Keenlyside
Leporello: Adam Plachetka
Don Ottavio: Paul Appleby
Mazetto: Matthew Rose
The Commendatore: Kwangchul Youn

Director: Michael Grandage

 ここはもしかしてロンドンのロイヤルオペラではないか…と錯覚しそうなキャスト。*1

*1:美人のByströmに当たることが多い私。特に悪いところもなく我慢できない程ではないが飽きてきた。どうしよう、来年の《サロメ》も彼女に当たる予定(泣)

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舞台写真についての覚書 METその他の場合

昨年ウィーン国立歌劇場との舞台写真使用についてのやりとりを記録した。
その後も、いくつかの劇場と交渉してきた。
そこでわかってきたこと…

新国立劇場は、たとえ出演者であっても劇場の宣伝以外に公演写真を使用することは許可していない。公演の知財権は劇場に所属するものだからだ。
テアトロレアルと今回のメトロポリタンオペラは、撮影者であるフォトグラファーと交渉して使用許諾を得よ、という回答だった。
写真の著作権は撮影者にあるという解釈だろう。レアルのフォトグラファーには問い合わせてみたが、返信がなかったのであきらめた。
驚いたのがメトのフォトグラファーで「通常はチャージがかかる*1が、歌手個人のプロモーションに使用するだけなら、無料でお分けします。ウォーターマークがついてもかまわないなら」という返事をくれた。
しかも「メトが出している公式フォトセットには、Nikitin氏の写真は1枚しか入っていないから、ファイルからいくつかピックアップして、君が見られるようにしてあげる」と、涙が出るほどありがたいご提案をしてくれた。
いくつか、と言っていたのに送られてきたのは80枚もあった。*2
感謝感激。

好きに使っていいよ、とのことなので、ここにも貼っておこう。Many thanks to Ken Howard!

f:id:Lyudmila:20161016210737j:plain  イゾルデにひっぱたかれるとこ

f:id:Lyudmila:20161016210535j:plain   下手のはしっこでこんなポーズしてたり 
f:id:Lyudmila:20161016210712j:plain  忠義なクルヴェナール

*1:つまりWSO方式で、レビューサイトやニュースメディアには有料で売っているということだろう

*2:一場面を連続で撮っているので、かなりの数になるのだ

Tristan und Isolde at the MET 08102016

この日の公演はMET Live in HD の配信・収録だった。

TRISTAN UND ISOLDE by Richard Wagner

Conductor: Simon Rattle

Isolde: Nina Stemme
Tristan: Stuart Skelton
Brangäne Ekaterina Gubanova
Kurwenal: Evgeny NIkitin
King Marke: Rene Pape

Director: Mariusz Treliński

トリスタンとイゾルデ、という作品はタイトルロールにばかり極端に比重が高く、なんとなればふたりだけ舞台にだしておけばなんとかなる。デコールも船の中、と二種類の室内くらいを用意しておけば足りるだろう。時代も場所もいくらでも読み替え可能で、そのテーマは変わらない。
いったいどんな舞台ならいいのだろう。
完全にリブレットに一致した設定を忠実に再現するか、とことん抽象的にするか。
私が見たものの中では、ベルリン国立歌劇場の天使のオブジェの舞台が好きだ。そしてイゾルデは永遠にMeier様。
今回はMETの新演出。近頃大流行りのビデオプロジェクションは当然多用され、さて舞台の設定はというと20世紀の軍艦だ。私は若干ミリオタが入ってるし、男性は軍服着ると3割増によく見えるので、とりあえずこれに文句はない。
各前奏曲の間には潜望鏡のようなものと、波濤を越える船、おそらく幼いトリスタンとそれを抱くマルケらしき人物映像が紗幕に投影される。マルケが語るように、いかにトリスタンを慈しんできたか。
船内は三層に分かれて、上層はトリスタンたちのいる制御室。二層目はイゾルデたちのいる船室。下層は機関室だろうが特に何もない。下手に各層を昇降するための階段がある。
二層目には監視カメラがあるということか、トリスタンはモニター映像のイゾルデを見、イゾルデもモニターの向こうのトリスタンに向かって歌う。
後でブランゲーネが薬を用意する時も、手もとが映される。
また、タントリスの物語では、その場面が再現されるが、モロルトはトリスタンに射殺されたことになっている。この舞台では剣は使用されず、なんでもピストルだ。
なるべく多くの人物を舞台上に置かないようにしているのか、乗組員もクルヴェナールの他数人。
一幕最後のマルケ王のお迎えの場面でも、マルケ王御一行は出てこない。合唱は全て裏からだ。ここはドタバタとたくさんの人が出てくる中でトリスタンとイゾルデがひきはがされるのを見たいもんである。

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My first Visit to NYC

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生まれて初めてアメリカ合衆国の領土に行ってきました。
メトロポリタンオペラで《トリスタンとイゾルデ》《ドン・ジョバンニ》のはしご鑑賞。
来日公演を初めて観たのがもう23年前、この劇場に来ることがあろうとは思いませんでした。
ホテルに着いたら、いきなりguest of the dayというのに選ばれてて、お部屋もアップグレード、お水2本、カットフルーツのサービスもありました。
泊まったのはリンカーンセンターのすぐ前にあるthe Empire。ゴシップガールというドラマで有名なとこらしいです。裏手にあるメキシコ料理店、隣接しているチャウダー屋も手ごろでよいお店でした。
ちょっとしかいなかったし、街のことも全然わからずに帰ってきてしまいましたが、とりあえずまた行く機会はあるということで。