リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

Der fliegende Hollaender at Teatro Real Madrid 17122016

私の席はこんなとこ。2階上手サイドのはしっこだったため、舞台の半分以上は見えない。目の前にモニターがあるのでそれを見ればよし。オケピの上に位置するため、音は私の好きなかんじに聴こえる。リヨンオペラ等とのコープロだが、レアルでは新演出初日値段で高かったため、ちょっとケチってここにしたのだ。
平土間の席を買ってあった2回目をNikitinは降板したので、この日に舞台が見える席を買えばよかった…と思ったが、あとのまつり。

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Daland: Kwangchul Youn
Senta: Ingela Brimberg
Erik: Nikolai Schukoff
Mary: Kai Rüütel
Dalans Steersman: Benjamin Bruns
Der Holländer: Evgeny Nikitin

Conductor: Pablo Heras-Casado
Director:Àlex Ollé (La fura dels Baus)

* 休憩なし一幕構成。救済の動機あり

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これも記録

なかなかマドリードの舞台鑑賞の記録が書けません。なぜかというと、現在進行形の興行で私のfavourite=Evgeny Nikitinは初日以降ずっとキャンセルしているからです。
彼のパフォーマンスに関しては、初日は成功だったと言えます。(音が決まらなかったところが3か所ほどあったと本人談)
17日の公演後に「20日にはDVD recordingがあって、重要なんだ」と話していて、19日の夕方、劇場にヴォーカルチェックに行った直後にも会ったのですが、その時は「大丈夫」と言っていたのです。
20日の午後に「体調が悪い」とキャンセル。幸いダブルキャストになっているので、もう一人のオランダ人役のS.Younが、20、23両日代役でした。
27日は体調ではなく、声の不調でキャンセル。S.Younは、26日も歌っているため連続では歌えないということで、急きょ呼び出された(と思う)T.J.Mayerが舞台袖で歌い、演技をNikitinが務める舞台となりました。
舞台の様子と演奏の内容は、今回劇場で知り合って仲良くなった、レアルの劇場オケメンバーの日本人女性Sさん*1が報告してくれます。

今回のレアルでの《オランダ人》に出ることも2年前にはわかっていて、本人もとても楽しみにしていたものなので、この後30日と来年3日の舞台には出てくれることを祈っています。

今年は風邪でドタキャンということがしばしばあり、私はそれに当たっても1回は観られるか、ちょうど当たらないというある種の強運はあるようです。

*1:かなりのベテランバイオリニストで、ワーグナーの作品は《マイスタージンガー》以外は全部演奏している

マドリード行ってきました

12/25、ロシア軍合唱団アレクサンドロフ・アンサンブルを乗せた航空機がソチ沖で事故。メンバーのほぼ全員を失うという前代未聞の悲劇がありました。
外国人ながら、このアンサンブルの熱心なファンでほぼ追っかけ状態だったフランスの友人を介して知った悲報は、本当に信じられないものでした。
プーチン大統領は26日を服喪の日とする、と発表しました。私などがお悔みの言い様もないのですが、亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

12/16から21まで、マドリードに行ってきました。
テアトロレアルの《さまよえるオランダ人》の公演を観るためです。*1
テロ事件が相次いでいるため、人が多く集まる広場では警備がものものしく、一人歩きの私には逆にちょっと安心感があるかなと思いました。
体調を崩したため、予定していた場所には行けなかったのですが、人との出会いには恵まれました。
かえすがえすも残念なのは、DVD録画になる映像収録の公演をfavouriteがキャンセルしてしまったことです。
(彼の《オランダ人》の映像ほしい…。私の記憶のなかにどんどん貯まっていくだけなんだろうか)

*1:ダブルキャストで、私のfavouriteが入っているチームの公演の一回目と二回目のはずでしたが、favouriteは二回目と三回目を体調不良でキャンセルしたため、ダブルキャストのS. Younのも一度見ることとなりました

祝・ユロ兄初来日、その他

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辻井伸行 ユロフスキ指揮 ロンドンフィル | 東海テレビ

ついにユロ兄ことVladimir Jurowski が来日(予定)。弟子格のコチャは先に来てるし、Kiril P.は来年バイエルンと来るから、私が聴きたい指揮者で来日してないのはクレ(Teodor Crrentzis)さんかな。

ユロ兄といえば、コンサートの前にしばしば作品についてのレクチャーをしてくださる。「Добрый вечер……」と、素敵な声で話しはじめるとなかなか終わらない。日本の場合は時間がけっこう厳密なので、他のインタビューとかで思う存分語っていただく機会があるといいと思う。

   ↓  こんな感じで実に有意義なレクチャーがあるのだ。 

lyudmila-galahad.hatenadiary.jp

困ったのは大人気ピアニスト辻井氏がピアコンのソリストだってこと…。きっぷが取りにくいのではないかと心配。

 先日はアムステルダムコンセルトヘボウで、オランダプレミエの《セミヨン・コトコ》コンサート形式上演が、ユロ兄の指揮であった。
作品の力もさることながら、独自のバージョン公演は素晴らしいものだった。アムステルダム在住で、演奏会に行った友人たちも*1 とてもいい演奏だったと言っていた。
ライブ放送の録音は例によって、youtubeチャンネルにアップした。その前にいくつかマリインスキ劇場のステージ付きのクリップをアップしてあるので、比較していただきたい。私はマリインスキのを繰り返し聞きすぎてるので、アムステルダムのは役の声にちょっと違和感がある。


S. Prokofiev: Semyon kotko

*1:ひとりは私が「この演奏会超おすすめ!」と言ったら、なぜか私も行くと勘違いしてきっぷを2枚買ってしまっていた。悪いことしちゃった。

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近況いろいろ

近況をささっと記録しておく。

ウィーン国立歌劇場来日公演《ナクソス島のアリアドネ》

今回も棚ボタ式鑑賞。優しいおともだち、ありがとうございます。

Dirigent:Marek Janowski

Regie:Sven-Eric Bechtolf

Der Haushofmeister:Hans Peter Kammerer
Ein Musiklehrer:Markus Eiche
Der Komponist:Stephanie Houtzeel
Der Tenor (Bacchus):Stephen Gould
Zerbinetta:Daniela Fally
Die Primadonna (Ariadne):Gun-Brit Barkmin
Harlekin:Rafael Fingerlos
Najade:Maria Nazarova
Dryade:Ulrike Helzel
Echo:Lauren Michelle *1

今回の来日公演はこの《アリアドネ》《ワルキューレ》《フィガロの結婚》の三演目がやってきた。
その中で《アリアドネ》は、きっぷの売れ行きが悪く(だから私も行くことができたのだが)後からエコノミー券も追加で出ていた。
でも《アリアドネ》はモーツァルト、ワーグナーの音楽要素も楽しめるお得な演目じゃないかな、と思った。舞台もウィーンではBechtolfのものばっかりだが、その中でも秀逸な部類に入るだろう。歌手も「豪華版」だった。

*1:このお方、スレンダーで美しい。しかもお着物をお召しで楽屋口から出てらした

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Don Giovanni at the MET 08102016

昼公演の《トリスタンとイゾルデ》の後、《ドン・ジョバンニ》を観ることにした。
当日で、ファミリーサークルの1列目真ん中というなかなかお得な席を購入できた。
昼とはうってかわって女性率が高いし、席の位置のせいか観客の平均年齢も下がったような気がした。

Conductor: Fabio Luisi

Donna Anna: Hibla Gerzmava
Donna Elvira: Malin Byström
Zerlina: Serena Malfi
Don Giovanni: Simon Keenlyside
Leporello: Adam Plachetka
Don Ottavio: Paul Appleby
Mazetto: Matthew Rose
The Commendatore: Kwangchul Youn

Director: Michael Grandage

 ここはもしかしてロンドンのロイヤルオペラではないか…と錯覚しそうなキャスト。*1

*1:美人のByströmに当たることが多い私。特に悪いところもなく我慢できない程ではないが飽きてきた。どうしよう、来年の《サロメ》も彼女に当たる予定(泣)

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舞台写真についての覚書 METその他の場合

昨年ウィーン国立歌劇場との舞台写真使用についてのやりとりを記録した。
その後も、いくつかの劇場と交渉してきた。
そこでわかってきたこと…

新国立劇場は、たとえ出演者であっても劇場の宣伝以外に公演写真を使用することは許可していない。公演の知財権は劇場に所属するものだからだ。
テアトロレアルと今回のメトロポリタンオペラは、撮影者であるフォトグラファーと交渉して使用許諾を得よ、という回答だった。
写真の著作権は撮影者にあるという解釈だろう。レアルのフォトグラファーには問い合わせてみたが、返信がなかったのであきらめた。
驚いたのがメトのフォトグラファーで「通常はチャージがかかる*1が、歌手個人のプロモーションに使用するだけなら、無料でお分けします。ウォーターマークがついてもかまわないなら」という返事をくれた。
しかも「メトが出している公式フォトセットには、Nikitin氏の写真は1枚しか入っていないから、ファイルからいくつかピックアップして、君が見られるようにしてあげる」と、涙が出るほどありがたいご提案をしてくれた。
いくつか、と言っていたのに送られてきたのは80枚もあった。*2
感謝感激。

好きに使っていいよ、とのことなので、ここにも貼っておこう。Many thanks to Ken Howard!

f:id:Lyudmila:20161016210737j:plain  イゾルデにひっぱたかれるとこ

f:id:Lyudmila:20161016210535j:plain   下手のはしっこでこんなポーズしてたり 
f:id:Lyudmila:20161016210712j:plain  忠義なクルヴェナール

*1:つまりWSO方式で、レビューサイトやニュースメディアには有料で売っているということだろう

*2:一場面を連続で撮っているので、かなりの数になるのだ