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リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

La Calisto @Bayerische Staatsoper 15012014

他の場所に記録しておいた鑑賞記を、こちらに転載しておこうと思う。

1月にミュンヘンでオペラ2本、ドルトムントでコンサート1本鑑賞した。
世間的にはあまり話題にはならない公演であったが、いずれもプロダクションそのものは優れてた。
まずは、バイエルン国立歌劇場で上演された*1バロックオペラ。

Conductor: Ivor Bolton
Producer: David Alden

La Natura / Satirino / Le Furie: Dominique Visse
L'Eternità / Giunone: Karina Gauvin
Il Destino / Diana / Le Furie: Anna Bonitatibus
Giove: Luca Tittoto
Mercurio: Nikolay Borchev
Calisto: Danielle de Niese
Endimione: Tim Mead

『ラ・カリスト』by フランチェスコ・カヴァッリ 

あらすじ:北斗七星を含むおおくま座のギリシャ神話に由来(オイディウスの『変身物語』)する。女神ディアナの侍女である森のニンフ、カリストは大神ジョーヴェに見初められ、*2身ごもってしまう。ジョーヴェの妻ジュノーの怒りをかったカリストは熊の姿に変えられてしまうが、後に空に星座として揚げられる。ここにディアナと羊飼いの恋物語などが加えられ、牧歌的な物語になっている。

 

『ラ・カリスト』は、2005年初演時のオリジナルキャストはDominique Visseだけ。指揮は同じ。もしかしたら、これ振る指揮者ってほとんどいないのかもしれない…。さらに今シーズンの発表当初からキャストもいくらか代わっていた。そのままならChristophe Dumaux がみられたはずなのに(さらにこの後行ったドルトムントのコンサートもキャンセルだったので、2回のチャンスをのがしてしまったわけだ)、残念。オケピットの中に、テオルボが何本も見えたのには感激。もちろんチェンバロ2台で、指揮者は弾き振り。通奏低音が迫力あるから、大きな劇場の中でもじゅうぶん迫力あるバロックが聴ける。舞台は、わりとよくある劇中劇風。モダンでカラフルなセットとおしゃれな衣装で、楽しい。登場人物はそれぞれアイコンをつけているか、意匠でそれとわかるようになっていた。後半カリストといっしょに7人の淡い色のドレスを着た女性たちが出てくるのだか、これは北斗七星だね。

けっこうエロい演出なので、お子様客の姿を見つけて心配になったり。 バロック音楽がついてるコントみたいな劇中で、Danielle de Niese は、もっとコメディ風かと予想してたら、意外に可憐で手堅いパフォーマンスだった。 キュートな外見とダンスは健在。最後の熊の衣装に着替えるとこもゆっくりと、可愛かった。見直したのはTim Mead。そんなに上手いとは思っていなかったけど、繊細な歌唱表現に驚き。歌も演技も格段に上手くなってるように感じた。この後、彼のパフォーマンスはどこでも激賞だったから、私の勘違いではなかった。あとはジョーヴェのLuca Tittoto。地鳴りのように響くバスで、バカでかい声がすかっとする。 Tittotoは3日後ドルトムントでも聴いたが、やっぱり声でかかった。 他の人たちも個性的で、特に女声はよかった。Karina Gauvin と Anna Bonitatibus、という迫力あるバロック歌手を聴けたことは僥倖であった。とにかく劇全体がおもしろくて、うしろの立ち席からはしばしば爆笑が聞こえてきてうるさいくらい。実はこの日ミュンヘンに到着したばかりで、すぐ劇場に向かったのだ。眠かったけど背後の爆笑に助けられつつも、全部観られてよかった。

終演後、楽屋口の様子を伺いに行った。常連らしき人たちが2、3人いた程度。
一番にTim Meadが出てきた。こりゃ好都合!と「すばらしいエンディミオーネでした。お写真撮らせていただけます?」と、これがその成果。キュートでしょ。

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*1:国立歌劇場でバロックオペラがかかることは珍しいが、これ自体は新しいプロダクションではない

*2:カリストとディアナはレズビアン的関係にあるので、ジョーヴェはディアナに姿を変える