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リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

Le feste d'Apollo by Christoph Willibald Gluck

今年はグルック生誕300年のメモリアルイヤーだが、さすがにモーツァルトやヴェルディ、ワーグナーと比べると盛り上がらないような気がする。
生誕150年のリヒャルト・シュトラウスの作品のほうが多数上演されているのではないか。
それでも、世界発録音の皇帝ティートの慈悲なども発売され、けっこうグルックの作品でも珍しいものを聴く機会があることは、記念の年だからかもしれない。
さて、先日これまたグルックのレア作品*1『アポロの祝祭』の中のひとつの上演があった。
グルックの『アポロの祝祭』は『プロローグ』と『アリステオ』『バウチとフィレモーネ』『オルフェオ』の4つから成る作品で、1769年にパルマ公爵フェルディナンドと、オーストリアのマリア・アマーリアの結婚式のために作曲された。
特に『オルフェオ』は、グルックの大ヒット作『オルフェオとエウリディーチェ』パルマ版としてリメイクされたものだ。
メディアとしてはRousset & Les Talens Lyriquesが『アリステオ』『バウチとフィレモーネ』の録音があるくらいか。
その中のすっかり忘れられていたパルマ版『オルフェオとエウリディーチェ』が、今年の5月、グラーツでオーストリア初演。残念ながら、この公演はラジオ放送などもなく聞けず。
オルフェオを歌ったカウンターテナーのSabadusが出したアリア集 Le belle immagini にはパルマ版『オルフェオ』の抜粋が収録されている。
これ全曲きいてみたいものだなあと思っていたところ、11/16のドイツ初演はライブ放送されることになった。
そもそも、Sabadusのオルフェオが聞きたいと熱望していて、たまたまそれがパルマ版だったというだけなのだが、おかげで知らない作品とあらたに出会えた。

 パルマ版『オルフェオ』の全曲録音は、WDR3のsoundcloudで30日間聴取可能。

私も録音したのを自分のyoutubeチャンネルにアップロードしてある。リリカルで美しい演奏なので、ぜひ聴いていただきたい。


Le feste d‘Apollo: Atto d‘Orfeo (Parma 1769) --Christoph Willibald Gluck - YouTube

ベタだが、私は「エウリディーチェをうしなって」が大好きだ。
今回のSabadusはgirlyな声で小鳥の囀りのような歌唱が愛らしい。


Valer Sabadus sings Che faro senza Euridice - YouTube


いろんな人のを聴き比べていて、今のところとっても気に入っているのは、ちょうど一年前に上演があった Franco Fagioliの歌唱。深い哀惜の感情があふれていると思う。独特の装飾とCTの中でも男声らしい芯のしっかりした音色。

 


Franco Fagioli -Che farò senza Euridice- - YouTube

*1:どのくらいレアかというと日本語ウィキペディアのグルックの作品リストには載っていないのである