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リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

《炎の天使》ちょっとメモ

11/29日、日本時間では翌日の午前3時、バイエルン国立歌劇場の新演出《炎の天使》の初日公演が、BR-Klassik でライブ放送された。(ドイツでありがちな)舞台演出へのブーもなく、音楽的に素晴らしく、ものすごい上演であるのがよくわかった。
3年前には、こんな日が来るとは思っていなかった。自分のMacの前で、カーテンコールの様子を聴きながら泣いていた。

私のfavourite= Evgeny Nikitin は、ミュンヘンのこの劇場でいくつかの役を歌ってきた*1が、ほとんどドイツもので、今回の《炎の天使》ルプレヒト役は、特別な転換点にあたるものだと思う。*2

私は彼に対して、実は歌手としてはあまり高い評価をしていなかった。
カリスマと希有な才能を持つアーチストだとは思っていたけれど、音痴疑惑まで持っていたからだ。
これが変わったのは、昨年バルセロナで《囚われ人》の実演に当たってのことだった。
かなり難しいはずの調性感のない曲ほど、彼は正確に表現する。
プロコフィエフの作品で、この個性が発揮されないわけがない。

初日公演を実際に劇場で鑑賞した友人たちは「すごい公演だった」とすぐに感想を教えてくれた。
聴衆は現在、彼が舞台で出せる最大限の能力を見ることができたんだと思う。そのちからは、ネットラジオの放送でも、じゅうぶんうかがえた。

12日の映像配信で舞台を観るのが楽しみ。今シーズンのアジア向けの配信*3には、これは対象になっていないから、ご覧になる方はCETに合わせてお間違いなきよう。

トレイラーとビデオマガジンが劇場のチャンネルにアップロードされている。

youtu.be

 

舞台写真も私のサイトにまとめた。

private fan site for russian bass-baritone, Evgeny Nikitin

 

ホテルのスイートルームが舞台の2時間のサイコホラー。ルプレヒトはビジネスマンなんだそう。

*1:ヨカナーン、王の伝令、テルラムント伯、クリングゾル、オランダ人

*2:もちろんホームのマリインスキー劇場ではプロコフィエフの作品はよく上演されているので、そちらへの出演はあるが主役級の役にはあたらないし、外国では作品の上演自体が珍しい

*3:新演出でもマイナー作品はオミットされて、メジャーな3作品のみが対象。保守的なマーケットと看做されてるのかな