リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

Lucia di Lammermoor at NNTT 26032017 & Slav epic

アルフォンス・ミュシャの《スラヴ叙事詩》が、プラハ以外で世界初公開ということで、行ってきた。大昔にあったミュシャ展でそれに類する大型絵画を観たような記憶があるのだが、なんか違うものだったのかな。
ともあれ、春休みに入りたての土曜日に行ってみた。思ったほどの混雑はなく、チケット売場に行列はあったが展示室にはすんなり入れた*1
この作品がプラハで一般公開されるようになったのはそれほど前ではないということだ。
完成した時点では、ミュシャの画風も題材も時代に合わないものだったから。
全体に褪色したように見える画面。大きすぎるため、絵画の上部まではよく見えない。オペラグラスがあればいいと思った。自然と絵の下部とすみっこばかりに目がいくことになる。

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写真撮影可のエリアがある。

アールヌーボーの代表的なグラフィックアーティストとして、多くの宣伝ポスターで人気を博したミュシャ。後半生は祖国と民族のために描く、と、この大作の制作に費やした。これがほんとうに描きたかったもの。
この展示の後にはグラフィックデザインの部がある。そちらの方はこれまでも観る機会はあったし、文字通り薄っぺらく見えてしまって今回は素通り。

 翌日新国立劇場で《ルチア》の最終公演を観た。今シーズン、私がこの劇場で観るのはこれだけだ。

新制作の舞台は、オーセンティックと見せかけてちょこちょこ不可解な場面があった。
特徴的だったのは、ルチアの男装(というか単に時代設定には珍しいパンツスーツを着用していた)と狂乱の場でのサロメ状態。
新婚の夫アルトゥーロの首を上げて(首級頂戴つかまつる)ルチア入場…。( ゚Д゚)ポカーン
か、かわいそうなアルトゥーロ。いったいなんのために。
狂乱の場ではグラスハープがオブリガード。名手であることはまちがいないだろうが、私はここはグラスハープでなくてもいいと思う。あの場の歌唱に機敏に対応できるフルートなんかのほうがよくはないか?
歌唱の内容はいずれも素晴らしいものだった。比較的さっぱりした雰囲気のエドガルドの声はなかなか気に入った。
演奏全体もまとまりよく、安心して聴ける内容だった。
私はこの頃外国の劇場でベルカントオペラを鑑賞する機会がなくなってきたので、国内でこのような演奏に出会えるのは幸せ。

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f:id:Lyudmila:20170405142957j:plain 楽屋口でサインをするOlga

オペラでの知名度が上がるにつれて美人度も上がってきた。かわいいミニワンピに黒のタイツと二―ハイブーツ。ものすごくスタイルがいい。「あなたはほんとに綺麗だわ~」(ロシア語)と言うと、小さい声で「スパシーバ」萌え<3

*1:その後平日に行った友人は入口にも列ができていたと話していた