リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

Valer Sabadus and Concerto Köln アンサンブルホールムラタ(京都コンサートホール)09022019

私はサバちゃんのコンサートには縁がなく、一度機会を逃しているため最後に彼を聞いたのは4年前。ますます成長していることと予想し、とても楽しみにしていた。

 

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プログラムには「親しい二人〜Caro Gemello〜」というタイトルが付いていた。
サバちゃんの歌とコンツェルトケルンの器楽演奏はヴァラエティに富み、一瞬も退屈させられない構成だった。

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Saba Chan :) のサイン

京都コンサートホールの小ホールは510席のこじんまりとして居心地がいい。客は八分の入りというところか。両端とバルコニー部分は空いていた。
コンツェルトケルンの合奏は初めから全開。一糸乱れぬ堅牢なアンサンブルだった。
一曲終わるとサバちゃん登場。ヘンデルのオンブラ・マイ・フが歌の一曲め。
4年ぶりにきくサバちゃんの声が、少し違って聞こえた。少し重くてくぐもったような。すっきりとした透明感が聞き取れなかったので、もしかして少しの間に声質が変わってしまったのかと危惧した。
しかしそれは杞憂に終わった。第一部の後半にあった《リナルド》のアリアからは、調子が上がり、厚みがあってふんわり、音質は透き通っており、独特の浮遊感のある素晴らしい声が聞けた。

コンツェルトケルンのコンミス平崎真弓さんのリードは全く隙がなかった。アンサンブルには一本太い芯が入っており、サバちゃんの声も楽器のひとつとして組み込まれ、一曲一曲を石造りの建物のように作っていく。
ぴったりと息のあった歌手とアンサンブルを聞ける安心感。

休憩に入ると、聴衆の「期待以上!」という静かな興奮が感じられた。最初本調子が出てなかったサバちゃんだが、それに気づかれないのは彼の美貌の為せる技。
(友人が目測した)8.5頭身の長身、茶色の短髪に陶器のような白い滑らかな皮膚に整った目鼻立ち。可愛らしい笑顔が何かに似てるな〜と考えていた。

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パピヨン

これじゃね。

後半第二部では、アンサンブルの調子はさらに上がっていた。サバちゃんはにこにことしていたが、オケの面々はあまり笑顔は見せず、一曲一曲全力で弾いているのがみて取れた。彼らの集中力というのは並大抵ではなく、最後の一音に向かって収束していく演奏は見事だった。
アンコールは三曲

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私の席からちょうど袖にいるサバちゃんがアプローズで出てくる前に、付箋を貼ったカンペを握りしめているのが見えた。おそらく日本語でご挨拶がくるだろうと期待。サバちゃんは譜面台にカンペを置くと「ありがとうございます。アンコールは!」と曲目を読み上げた。これが三回。初恋も日本語で歌ってくれ、感涙ものだった。

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終演後、ホワイエでサイン会があった。サバちゃんと平崎さんが並んでサインをしてくださった。同行の友達と私が「サバちゃん、サバちゃん」と言っているのを聞いて平崎さんが「あなたはサバちゃんて呼ばれているのよ」と説明していた。サバちゃんは「サバちゃん?こう書くんだね」と上に載せてある写真のように書いてくれた。下にちゃんとしたサインもあるけど、サバちゃんの「Saba chan」おもしろいでしょ。この後10人くらいはこのバージョンでいただいたとのこと。
 

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爽やか好青年

ありがとう、また来てね。