リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

The Gambler at Mariinsky II 24022019

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マリインスキ新劇場

この日は新劇場での鑑賞。プロコフィエフの《賭博師》
指揮者はまたまたSmelkovだった。
このプロダクションはマリインスキレーベルから映像が出ている。

PROKOFIEV The Gamblermariinskylabel.com

Conductor: Pavel Smelkov

The General: Andrei Serov
Pauline: Yekaterina Solovyova
Alexei: Vladimir Galouzine
Babulenka: Irina Bogachava
The Marquis: Andrei Ilyushnikov
Mr Astley: Maxim Bulatov
Blanche: Evelina Agabalaeva

マリインスキ2は開館して5年、まだまだ新しい。旧劇場と違って広々としたホワイエにクローク。上階にはギャラリーもある。オーディトリアムもゆったりとした設計で椅子も快適。音響も申し分ない。
比較的新しいプロダクションはここで上演されることが多い。

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このプロダクションは非常にシンプルだ。簡素な舞台装置はほとんど変化がないし、衣装も時代錯誤はない。心理劇として芝居を徹底的に見せるようになっている。
音楽は劇付随の効果音かと思われるほどだ。
この作品ほど演出主体のレジーテアター向きのものはないだろう。演劇の国であるロシアの劇場にぴったりだ。
現代のオペラ歌手にはかなりの演技力も必要だが、これに出演している歌手たちはどの人も芸達者だった。目当ての一人はもちろんGalouzinedで、彼は常に聴衆の注意をアレクセイという役に集めていた。
前日に引き続き指揮のSmelkov、音楽職人たる意気は健在。賭博の緊張感、人の心理の動きを隙なく表現していた。いまこの劇場で歌手を的確にのびのびと歌わせることができる指揮者であることは間違いない。

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プロコフィエフにかけては、どんな演目もここではゲルギー親分が再現してしまっているので安心して聞けるし、楽しめること請け合い。
両劇場で鑑賞できて満足して帰途についた。