リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

Teodor Currentzis & MusicAeterna: Rameau -- THE SOUND OF LIGHT

Teodor currentzis & MusicAeterna の『Cosi fan tutte』もすぐ発売されるが、その前に ラモー の舞曲アンソロジーである『The Sound of Light』が出た。私はドイツ初期バロックやバッハが好きで、フレンチバロックはあまり得意ではない。それに*1完全生産限定盤だとか、録音自体は2012年だとか、なんだか謎なアルバム…どうしようかなと思っていたところ、SoundcloudでSony Classicalの*2ストリームにのっていたのを聴いたら、やたらおかしくって即予約注文してしまった。



届いてさっそく聴いてみた。Currentzisがライナーノーツでも言及しているように、ラモーがいかに現代的で過激でクレイジーであるか、それらを感じる音の性質をそっくり表現している。太陽神アポロンの戦車のごとく光輝きながら旋回する旋律。ザクザクっとした素朴な力強さがある弦、フォークロリックな打楽器。変幻自在の声。
録音場所はペルミのディアギレフ博物館。パリで旗揚げされた彼のツアリングカンパニー、バレエ・リュスの当時最先端*3の衣装やバレエ作品についても、想起させられる音だ。そして「懐かしい」という感情も呼び起こされる。
やはり不思議で個性的としかいいようのない演奏だ。

ところで私がCurrentzisその人が好きなんではないかと思われると心外なので、言い訳しておこう。指揮者でルックスも好きなのは、HengelbrockやMinkowski*4なんである。
CurrentzisとMusicAeternaの音づくりと音楽の解釈、探求する姿勢は大好きだけど、Currentzisの中二病的なファッションセンスがどうもいただけない…。人となりにもまったく興味はない。時々ヘンテコなヘアスタイルするのはおもしろいと思う。



 

*1:て何?出荷数が少ないの?

*2:各トラック途中の50秒が聴けます

*3:現代でも十分輝きのあるものだと思う

*4:基本的に頭髪や体重にチャレンジされてるタイプが好み。