リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

エンカルナシオン修道院 その他

マドリードでは、あまり出歩けなかったが、王宮と王宮のすぐ近くにあるエンカルナシオン修道院に行ってきた。聖アウグスチノ修道会の女子修道院で、創設者はフェリペ3世妃マルガレーテ・フォン・エスターライヒ。 
ガイドツアーでのみ、中を見学できる。

f:id:Lyudmila:20170108170148j:plain 入口の表示

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 開館は10時なので、ぴったりの時間に出かけた。入ってすぐの受付で見学したい旨申し出ると、ガイドツアーは10:30からで、スペイン語だけなのだが大丈夫かと心配そうにきかれた。「中が見られればかまいませんので」と料金を支払って待つことに。同行者は10人程。当たり前だが、スペインの他の地域から来たらしき人ばかりだった。
内装は18世紀に装飾しなおされたそうだが、一般人の見学を想定しているようなものには思えなかった。ここは聖ヤヌアリウスの血*1、聖パンテレイモンの血の他聖遺物がたくさんある。あまり広くない聖遺物の部屋に入ると、棚にぎっしりといろいろなものが陳列されている。
液化する血は豪奢な容器に入れられていたが、量は50mlくらいだろうか。
スペイン語の説明が解れば、その他に何があったのかわかったのだが…。ガイドの男性は立て板に水の如く説明をしていく。ツアー客のひとりに、日本風にいえば「歴女」っぽい人がいて、彼女が絶妙のタイミングでガイドに質問と追加の解説をしていた。その話の中身もぜんぜんわからないのだが、彼女の知識がすごそう、というのだけはわかった。歴代の王族の肖像画やらマドリードの風景画やらも解説付きで見て回り、礼拝堂の中に入って終了。ツアーは45分と言われていたが、1時間はかかっていた。
昼すぎになると、観光客が多くなるのでその前にいそいで王宮も見学に行った。
入場の列もそれなりにできていたので、やはりここも朝早く行ったほうがいいかもしれない。
翌々日には、プラド美術館に行った。ほんとはトレドに行くつもりでアトーチャ駅まで出たのだが、トレド行きの列車の予約が午後遅くまで取れないとわかったのであきらめたのだ。体調も悪くなってきていたので、近くのプラド美術館内を休み休み見学したうえ、早々にホテルに戻ってしまった。
エル・エスコリアル修道院にも行ってみたかったけど、気力も出ずに行かずじまい。
なのでいちおう《ドン・カルロ》フィリッポ2世も持ち役の、我がfavouriteにきいてみた。
「エル・エスコリアル行ったことある?」「ああ、エスコリアルは村だよ。フィリッポ2世の時代にマドリードから馬で行ったらけっこう時間がかかっただろうに、なんであそこに施設を造ったのかわからない。王家の墓だから、修道院の中には一面棺桶があるんだ。そんなにおもしろい場所だとは思わない。ところでクリストバル・デ・モラーレスを知っているか?フェリペ2世の宮廷音楽家だ。フェリペ2世のためにレクイエムを作曲しているし、覚えとけよ。ルネサンス音楽っていうのはいいよな〜」(以降ルネサンス音楽について語る)

なんか行かなくてもいい気がしてきた…。

*1:ナポリでも血の液化現象の奇跡で知られている。聖ジェンナーロ