リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

月の港ボルドー Bordeaux, Port de la Lune まで

昨年からとにかくフランス語圏ばかりに出かけている。今年もまた続けてフランスに。
一年も前にオペラのきっぷを買い、宿泊予約をしていた割には行く先についてまったく調べることもなく、ボルドーが「月の港」というすてきな名称でよばれていることは現地に来て知った。
今回、行きはパリで降機しCDGで空港ホテルに一泊、翌日TGVでボルドーに入った。乗車時間は約3時間。
ボルドーの中央駅にあたるサンジャン駅からトラムC線に乗ってブルス広場まで行かなくてはならない。

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アパルトマンのある通り

 トラムのホームできっぷを買い、さてどれに乗るのかな?ときょろきょろしているとなんだか様子がおかしい。近くにいた交通局職員らしき人が「トラムに乗るのですか?どちらまで?」ときいてきた。「ブルス広場」と答えると「トラムCは運休です。代替はバスなので、あそこに停車しているのに乗ってください」「きっぷは買っちゃったんだけど、有効?」「もちろん」あとで宿のオーナーにきいたら、どこかの停車場で火事があり、C線は使用できなくなっていたのだそうだ。私が帰る日に復旧したとのことだった。
ブルス広場に近い旧市街のアパルトマンまで、オーナーの指示どおりに行った。見るからに古い建物の扉の指定されたインターホンを押しても反応がない。ほんとに機能しているのかあやしいためその場でオーナーに電話をして、部屋で待っていたオーナーに開けてもらった。中世時代の建物よ、とオーナーは言っていたが、内側一部が中世のもののようだった。部屋などはきれいにリノベされていたし、一階はレストランだった。私の部屋は二階。リフトがないのでそれより上の階はきついなと思った。オーナーは英語も話せるてきぱきした女性で、設備の使い方と周辺の説明をしてくれた。「何をするご予定?」ときかれたので「オペラに行くんです。コンサートホールの方ですが」*1

と答えると「あなた歌うの?」と目を丸くしていた。ただの観客です、と笑ってしまったがわざわざオペラに来る外国人など少ないのだろうな。おかしいのはこっちだ。
鍵の返却方法などを打合せてオーナーが帰る時、「アジアからのゲストはビズしないのよね、独特のあいさつ(お辞儀のことか?)で。あなたは平気そうだからビズしましょ」「もちろん~」女性同士でビズするのはぜんぜん平気。*2

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古い部分の階段

アパルトマンの部屋の鍵はドイツやフランスでよくある二回がちゃがちゃ回すので、建物入口は電子錠だった。*3
古い建物にありがちな電気系統が弱く時々家電が不審な動きをするのと、シャワーのお湯の出が不安定なことはあったが、wifiの不具合はまったくなかった。*4
プチシャンゼリゼと呼ばれるボルドー大劇場前に広がる繁華街から少し離れた、ゴシック建築の小さな教会区のアパルトマンは静かで、ただそこにいるだけでとても楽しかった。

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近くのサンピエール教会

 

*1:部屋のマントルピースにはオペラボルドーの今シーズンのプログラムブックがおいてあった

*2:男性同士はあまりしないのでご注意を

*3:不具合で開かない時用に普通の鍵もついていた

*4:これは旧市街でのデータ通信のつながりにくさと比較すると驚異的な速さだった