リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

ウラジーミル・ユロフスキ&ロンドンフィル来日記念!再掲

いえ、たいしたことじゃないんです。せっかくユロ兄が初来日してるのに、なんかプログラムに必ずピアノコンチェルトが入ってて、ピアニスト(まったくファンの層が違う)の影に隠れちゃってるので、以前のユロ兄レクチャー記事を再掲してみます。
ユロ兄のチャイ5、かっこよかったですよ!

 

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Fidelio at Teatro di San Carlo 25092017

同公演2回目の鑑賞。席は平土間前方下手側。舞台をちょっと見上げる格好になった。ステージ付きも楽しいが、この作品はコンサート形式の方が合っているような気がする。舞台設定がはっきりしていて、視覚に頼らなくても情景を思い浮かべることができるからだ。これはワーグナーの楽劇にも通じる、音楽の雄弁さだと思う。
前回と変わらず、ドラマチックに語られるレオノーレの心の声。マルチェリーナへの優しい気遣いや、夫を救うという固い決意と不屈の精神がきめ細かに表現されていた。
Metha師の采配のもと、このソリストチームは素晴らしく、各々役の個性にぴったりと見えた。

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エルコラーノ遺跡へ

ナポリに来て、ポンペイの遺跡に行こうと考えていたが、その手前にあるエルコラーノ遺跡の方がコンパクトで、修復状況もいいと聞いたのでそちらに行くことにした。

私はガレリアウンベルトプリモの中のホテルに宿泊したので、最寄りのメトロでまずは中央駅まで出た。中央駅のメトロの駅名はガリバルディ。そこからベスビオ周遊鉄道に乗り換える。この鉄道はソレントまで行ける。ポンペイに行くには必ずソレント行きに乗らないといけないが、エルコラーノは別の目的地へ行く電車でも行ける。

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Circumvesvianaの表示を見て行けばよい。観光客が目指しているのはほぼこの方向なので、間違えることはないと思う。
切符の窓口にはけっこうな列。「エルコラーノ、ウノ」でOK。片道2.2€(帰りはなぜか2.28€)。安い。ナローゲージのがたがた揺れるぼっろい電車に乗ること20分でercolano scavi駅に到着。

 

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Fidelio at Teatro di San Carlo 23092017

ヨーロッパで現役最古の歌劇場として有名なサンカルロ劇場。たしかに古色蒼然としている。デジタルサイネージもないし、入口も重い木の扉だった。(しかも公演前に開場するのが遅い)トイレは無料だったが、個室のカギが壊れていたりナポリっぽかった。

天井画はこんなふう。

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シャンデリアはなく、そのせいかなんとなく地味。音響はロイヤルボックスが一番良いそうだ*1
この日私は2階のボックス席前列に座った。視界は良好。字幕は舞台の上部にイタリア語と英語併記。

*1:favouriteとそのマネージャーさんの意見

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ナポリさまざま

私は普段忙しく働いているせいもあるが、旅に出る時は航空券とホテルの予約をとり、行きたい演奏会、予約が必要な美術館等のチケットをとってしまうとほとんど準備らしい準備もせずに前夜パッキングして出かける。
ナポリ怖いよ~とか言ってたわりに、人のうわさを半分聞く程度で実際駅に降りてしまった。(ただ、今までどこに行ってもスリや危ない目に遭ったことはない。身の安全に関してはどこの国に行っても細心の注意を払っているからだ。この基本姿勢だけは変わらない)
昼間だしバスに乗ってホテルの近くまで行こうと考えたが、ターミナルのどこからバスが出るのかわからず、タクシーに乗った。
ぼったくりの話をよく聞くナポリのタクシーだが、ナポリ市章のついた車なら、市内の各所定額でと決まっているらしい。運転手は英語が話せる人もいる。
私が乗った車の運転手さんは「ナポリは初めて?」と私に確認すると「では、注意事項を言います」と、目的地に着くまでずっと話していた。荷物は必ず自分の前に持つこと、財布をポケットにいれておくな、エジプト人やアルジェリア人に気をつけろ*1等々。

*1:見分けつかね~って

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バチカン美術館で朝食を

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イタリアの観光都市の有名美術館はどこも入場には長蛇の列に並ばなければならない。
事前に入館チケットを持っていてもある程度は並ぶ。
ここ、バチカン美術館も例外ではない。
しかしここには、最短待ち時間で入れる方法がある。朝食付き早朝入場チケットというのがあるのだ。

biglietteriamusei.vatican.va

入場チケットのオンライン販売ページに、Brakfast at the Museums という種類があるのでここから購入する。電子バウチャーがメールで送られてくるので、それをプリントアウトして持っていくだけだ。
朝7時15分から入場することができ、コートヤードでの朝食とオーディオガイド付き。早朝入場の割増料金がいささか高いが、まだまだこの制度は知られていないので、人が少ないなか、ゆっくり観られる。

ローマに着いた翌朝、テルミニ駅の近くのホテルを6時45頃に出て駅からタクシーに乗った。歩くのがいやだったからだ。7時10分頃美術館入口に着くと、20人程の入館待ちの人々がいた。20分くらいに入場開始。いったんチケットオフィスでバウチャーをチケットに引き換えてもらい、しばらくエントランスロビーで待つ。その後コートヤードに案内され、朝食の席に着く。ごく普通のアメリカンブレックファスト。

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パンケーキはその場で焼いてくれる。

みなさんすごい勢いで召し上がると、とっとと美術館の中に消えていった。私はさいごになってしまい、ひとりでぽつんといる態に。館内ガイドのお姉さんがオーディオガイドを持ってきて「何語?日本語ね?番号をここにいれていくと聴けるのよ。さあ、どうぞ」とてきぱき説明して去っていった。ぐ、ぐらっちぇ…。

いっしょに入ったはずの人々は、館内に散らばっているので、独り占めと錯覚するほどのびのびと見物することができた。

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地図の回廊

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出口のすてきな螺旋階段

システィーナ礼拝堂まで行くと、さすがに見物人が増えていた。が、よく聞く満員電車状態ではなく、ベンチに座ってオーディオガイドをじっくり聴きながら観る余裕はあった。ミケランジェロの最後の審判は、もっと大きなものかと思っていた。これを観に来ることがあろうとは考えていなかった。絵画そのものより、そこにいる自分の状態に感慨無量だった。

ピナコテークをざっと観てから、12時のホテルチェックアウト時間に間に合うように戻った。
その後はナポリへ移動。フレッチャロッサのチケットは自動券売機で買う。必ず「チケット買うお手伝いしましょうか?」とよって来る怪しい輩がいるので注意。絶対に荷物は自分の目の前に置いて、しっかり脚でガードしておく。無事に乗車できるかと思いきや、客車の並びがよくわからない。1〜3にはA、Bがあるのだ。私の乗るのは3B。ホームをどんどん行ってもAの表示ばかり。ついに駅員さんに尋ねた。まず1〜3のAの車両があり、その向こうにBがあるとのこと。先頭だった。今回は間違いなく、ちゃちゃっとかっこよく乗ろうと思っていたのに、なかなか難しい。

 

Tannhäuser in Bayerische Staatsoper Japan tour 28092017

素晴らしい演奏だった。今回は友人の伝手で最前列の席であったため、視界は抜群。すぐ前のオケピットから個々の楽器の音はよく聞こえた。
身長が低いKiril Petrenkoのようよう見える横顔と、高く挙げられた両手にしばしば見とれる時間であった。
静謐で精密、きらびやかさはない水墨画のような音作り。指揮をする手は絵筆をとっているようだ。どうしたらこのような品のいい颯爽とした音になるのだろう。
その前にちょうど威勢はいいがずっこけ気味のサンカルロ劇場のオケをきいたばかりだったので、ただただ「巧い!」と感心するばかりだった。

ソリストや合唱のうまさも言わずもがなで、それぞれたっぷりと魅力のある歌をきかせてくれた。タイトルロールは5月に同プロダクションのプレミエでロールデビューしたばかりのKlaus Florian Vogt…私はもともとこの人の声は好きだ。でも、まだタンホイザーとして納得できるものではなかった。いつものように音符は正確に、きちんときまった場所に音も当たり、はずさない。渾身のローマ語りもいい出来だったと思う。でも、終局前のタンホイザーの救済の望みを断たれた絶望感は伝わってこなかった。まだ赦されるものの余裕があるように感じた。
エリーザベトのDash嬢の声も可愛らしくて純粋なのだが、佇まいがいまいひとつ姫っぽくない。プレミエのキャストHarterosはその点より「らしい」のであったろう。私はDash嬢の声も姿も好きなので、なんだかんだ言っても観てるだけで楽しかった。
ヴェーヌスもひどく好みだった。男性陣ももちろん堂々たる歌唱。

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