リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

2018-01-01から1年間の記事一覧

ストラスブール

ルクセンブルクのオペラを観るミッションが終わって翌日、私はストラスブールに住んでいる友人に会いに移動した。TGVに乗らなくともロレーヌで乗り換える列車でいけばよい。フランス国鉄のアプリできっぷは購入できたが、引き取りは駅のマシンでしろという。…

Fidelio at Grand Théâtre de la Ville de Luxembourg 07122018

「観た」という記録だけはしておこうと思う。ルクセンブルクの《フィデリオ》は、中1日空いて2公演だった。当然両日のきっぷは買ってあり、2回目の席は2階中央やや下手より最前列だった。1回目より見通しはよかった。この前日空き日の昼間Zhenyaから体…

Fidelio at Grand Théâtre de la Ville de Luxembourg 05122018

ルクセンブルクは欧州の国としては比較的新しいため、宮廷劇場風のオペラハウスはない。ルクセンブルク大劇場と称する劇場は、オペラ、バレエ、ミュージカルなどが上演されるが座付きのオーケストラやアンサンブルはいない。そのため、指揮者が手兵のオケご…

ルクセンブルクの街

ルクセンブルクは日本から行く場合、フランクフルト、パリ、アムステルダムから空路で行くか鉄道で行くのが効率的だと思う。費用や移動にかかる時間を考えて、往路はパリCDG空港からルックスエアに乗ることにした。ターミナル2Dに到着後、荷物を受け取って…

パリ経由ルクセンブルクへ

見に行ったのはこれ。2年前にウィーン芸術週間でも観たプロダクション 今回、私はパリ経由でルクセンブルクへ行ってきた。4日にルクセンブルク着*1帰りは8日にストラスブールでいったん下車して友人と会ってからパリへ。市内で一泊して翌9日にCDG発。パリ…

Bis: Franco Fagioli and Venice Baroque Orchestra 東京オペラシティコンサートホール 22112018

日曜の西宮に続き、初台に行ってきた。兵庫芸文ではいきなり大ホールでほぼ満席に近い聴衆、初日ということ緊張の度合いも高くオケ合わせも慣れていないようだったが、聴衆の集中力と歌唱力もあり随分といい演奏会だと思った。しかし、公演3回目のこの日は…

Franco Fagioli and Venice Baroque Orchestra 兵庫県立芸術文化センター18112018

ついにフラちゃんが日本にやってきた。有料プログラムに、この招聘に関わる日本のファンの尽力がわかる文章が書かれているのでぜひご一読いただきたい。このフラちゃん招聘プロジェクトの発火点になったアルチーナさんと同好の友達と初日の西宮公演に行って…

徳川美術館特別展覧、源氏物語絵巻をみる

友人のご厚意にて、徳川美術館の賛助員向け特別展覧にうかがった。現在、特別展【源氏物語の世界】が開催されている。徳川美術館には12世紀に制作された国宝の源氏物語絵巻三巻が収蔵されており、額面装から本来の巻物装に修復*1したものを今回展示している…

音楽博物館 Musée de la musique

ホールに附属して楽器博物館があるところは少なくないが、Cite de la Musique の中にある音楽博物館は、新しいうえにかなりの規模だった。入場料は定期会員(3回コンサートチケットを購入すればなれる)割引で5€。オーディオガイド付き。オーディオガイド…

驚異のカウンターテナーズ&テノール Artaserse @ Oper Köln 27.12.2012

ナンシーを皮切りにツアーの先々で激賞されてきた『アルタセルセ』プロジェクト。 最終日に突撃してまいりました。 ケルンオペラは現在改装中で、まんまミュージカル用のテントのような仮小屋が中央駅のすぐそばにあります。 キャッツシアターの中に、オペラ…

Cecilia Bartoli sings Handel @バービカンホール 8/12/2010

Franco Fagioli 来日記念につき、以前のブログから移植してきました。文体が今と違うのが笑えますが、とりあえず。 前々日中部国際空港から出発するとき、チェックインカウンター前で若いドイツ人マエストロを見送りにきた師匠に遭遇。 当然どこに行くのか訊…

Götterdämmerung (Le Crépuscule des dieux) at Philharmonie de Paris 23092018

リング4作品の中で最長の《神々の黄昏》を、演奏会形式で聴くにはかなり忍耐がいる。私はこの作品が大好きであるし、妙な演出ならない方がいいので演奏会形式大歓迎だが、登場人物が誰かわかるようなアイコンがあるといいなと思った。マリインスキオペラの…

Siegfried at Philharmonie de Paris 22092018

フィルハーモニー前のデジタルサイネージ マリインスキー劇場の引っ越し公演で昨シーズンにリング前半、今シーズンで後半を上演することになっていた。Gergiev親分は、国外でワーグナーの作品を主に演奏会形式だが、上演することに非常に熱心だ。ドイツ人の…

Ensenble Artaserse - HAENDEL: Emöke Baráth & Philippe Jaroussky at Philharmonie de Paris 21092018

というわけで、2階の最前列に着席。地元パリで大人気のPJであるから、客席はほぼいっぱいだった。金曜日の夜で開演も遅い時間だったが後からやって来るお客さんもかなりいた。この新しいホールはベルリンフィルハーモニーを有機的にした感じだ。さすがに竣…

またまたパリ

6月末に続きまたパリに行ってきた。今回は19区のフィルハーモニー・ド・パリへ。3夜連続でコンサートを聴いてきた。パリ市内北東の端にあるため、CDG空港からはタクシーなら30分程度で到着する。18:20頃に空港到着。荷物をピックアップしてタクシーに乗…

ジーザス・クライスト=スーパースター ミレニアム版

私はロックオペラ、ジーザス・クライスト=スーパースターが大好きで、大昔にレコードを買った記憶がある。今どこにやってしまったかわからない。 ジーザス・クライスト=スーパースター(1973) [Blu-ray] 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル 発売日: …

Casa Vediのマエストロに聞くヴェルディの生涯

映画『カルテット!人生のオペラハウス』の老人ホームのモデルとして知った人も多いと思う、ミラノの「音楽家の憩いの家」カーサヴェルディ。その中で唯一の音楽家職員である指揮者フェルディナンド・ダーニ氏の講演を聴いた*1。作曲家としてたいへん多くの…

ヨガで瞑想、気功でマインドフルネス

タイトルの二つのこと、日常的に私がヨガと気功のレッスンで体験していることだ。瞑想はなんとなくぼーっとしていてなにも考えていないような状態、メインドフルネスは雑念を入れずにその時していることや見ているものに集中する状態、だと考えている。同じ…

着物コミック2題

先日はパリで着ようとして着物持っていったのに気温が高くて挫折した。 そんな私がいま楽しみに読んでる着物を着る女の子が主人公のマンガふたつご紹介 ひとつめは現在連載中、大阪在住のOLが関西の実在の場所に(喫茶店・図書館・神社等)祖母から譲り受け…

パリの人類学博物館

私はフォークロアが好きだ。音楽に限らず民俗学の分野全般に関心がある。神話伝説など伝承文学、伝統音楽、伝統楽器、少数言語、庶民の生活史等伝承の類別は問わない。なかでも特にフォークカトリシズム*1を代表とする土着の信仰とメジャーな宗教との融合や…

Toneelgroepamsterdam: Roman Tragedies at Théâtre national de Chaillot 30062018

Performed by Toneelgroepamsterdam Director: Ivo van Hove from william shakespeare's Coriolanus, Julius Caesar, and Antony and Cleopatra オペラの他に何か観るものはないかな~と探していた時に、シャイヨー劇場のプログラムにIvo van Hoveの代表作…

Boris Godunov (1869) at the Opéra Bastille 29062018

オペラ座職員のストライキにより演奏会形式上演 Conductor: Vladimir JurowskiXenia: Ruzan MantashyanFyodor: Evdokia MalevskayNurse of Xenia Alexandra DursenevaThe Innkeeper: Elena ManistinaBoris Godunov: Ildar AbdrazakovPronce Shuiski:Maxim Pa…

パリ再訪、オペラ座ストライキ騒動

パリの国鉄ストライキは続いている。5月の《パルシファル》では劇場の設備トラブルにより前半の舞台がキャンセルになる事件があった。その後はつつがなく上演されていると思いきや、なんとオペラ座職員の賃上げ交渉のためのストライキが始まってしまった。…

ツァーリと民衆、そしてこどもの死 パリオペラバスチーユ《ボリス・ゴドゥノフ》雑感

現在パリオペラバスチーユでは、ムソルグスキーのオペラ《ボリス・ゴドゥノフ》の初稿版が上演されている。1869年初稿版はここでは初上演とのことだ。指揮はVladimir Jurowski 演出はIvo van Hove である。このふたりの指揮(音楽、舞台において)によるこの…

Fidelio at NNTT 27052018

ネタばれがありますので、これからのご鑑賞の方はご注意を。 何かと舞台演出が話題になってる新国立劇場新制作《フィデリオ》、簡単にいうと… 第1幕:モーツァルト風味《トスカ》 第2幕:モーツァルト風味《トリスタンとイゾルデ》とベートーベン作曲《ア…

シャルトルの中世祭り

行きたいと思っていたクリュニー中世美術館が7月まで閉館とのことで*1、どこに出かけようかと少し考えた。国鉄はストライキ中だが、週3、4日は間引き運行している。よし、シャルトルへ行こう。所要時間は1時間半程度だし。メトロでモンパルナス駅まで出…

Parsifal at the Opéra Bastille, matinée 13052018

Richard Jonesによる新演出《パルシファル》、多くの人々がプレミエの日を待っていた。が、しかしゲネプロが行われようという日の前に衝撃的な告知が出された。「舞台奥の防火用扉のワイヤーロープが2本切れたため、点検と修復の必要有り。《ロミオとジュリ…

ストレスフルなパリへ

新年度からあっという間にGWも過ぎ、ボケボケしている間にパリに発つ日が来てしまった。 現在フランスは国鉄SNCFがストライキ中*1、便乗なのかエールフランスもストライキ。列車で移動せず、エールフランスに乗らなきゃいいと思っていたら、目指すパリオペラ…

Lohengrin 東京春祭 08042018

上野春祭の演奏会形式ワーグナーシリーズはいい。と言いつつここ数年は足が遠のいていた。年度初めに職場で騒動が多かったからだ。今年は余裕を持って行くことができた。ワーグナーは演奏会形式でじゅうぶんであると私は考える。予算がないとかで中途半端な…

Liederabend; Klaus Florian Vogt 東京春祭 歌曲シリーズ 26032018

私はVogtさんの歌曲コンサートは聴いたことがない。春祭のリサイタルのきっぷをとったこともあったが、友人に譲ったりそもそも買わなかったり。今回は競争率が高いかも、と友人のスペアで買ったきっぷでそのまま行くことにした。前方ピアニスト側の席。アカ…