リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

Maxim Mironov recital tour in Japan 2024

プロローグ 新型コロナパンデミックによる行動制限がようやく緩和されてきていた2022年末、オペラ仲間の友人Nさんから「マキシムに日本でリサイタルをする話をつけてきた。チケット販売など催事運営はクラシック名古屋に依頼する。できれば満席の会場で歌っ…

Götterdämmerung at Opernhaus Zürich 09112023

私は《神々の黄昏》が好きだ。圧倒的にコスパがいいからである。Vogtさんのジークフリートデビューを聞いてみたいこともあって、出かけることにした。初日と二日目のきっぷを購入してあったのだが、初日には行かないことにしてミュンヘンに仕事で行っている…

Franco Fagioli at Teatro Real Madrid 07112023

モーツァルトがカストラートの声のために書いた声楽作品を集めたFranco Fagioliのソロアルバム Anime Immortali のコンサート。楽団付きツアーとして欧州を回っているものだが、連続ではないのでそのせいなのか何なのか、マドリード公演は録音で担当したアン…

チューリヒとマドリード

11月初めの旅行記録。チューリヒは9年ぶり、マドリードは7年ぶりに訪れた。初めて乗るswiss air ロシア上空を飛べないので北極圏回りで往路14時間、復路13時間。現在だと短い方かな。 こんなに揺れないのも初めてだな、と思いつつ何事もなくチューリヒ空港に…

Parsifal at Gran teatro del Liceu 02062023

リセウのパルシファル2回目の鑑賞。開演前に、この日に亡くなったフィンランドの作曲家Kaija Saariahoの訃報と、アンフォルタス役が同じくフィンランド出身のTommi Hakalaに交代との舞台アナウンスがあった。 PARSIFAL: Nikolai Schukoff KUNDRY: Elena Pan…

Parsifal at Gran teatro del Liceu 30052023

Claus Guthの舞台がバルセロナ・リセウ大劇場に戻ってきた。初演から12年、チューリヒ、マドリード、東京(二期会)でも上演されてきた傑作演出だ。 PARSIFAL: Nikolai Schukoff KUNDRY: Elena Pankratova GURNEMANZ: René Pape AMFORTAS: Matthias Goerne K…

モンセラット攻略

バルセロナ近郊の観光地で現地ツアーで行くのが一般的だが、円安の今はなんでも安く済まそうと公共交通機関を使って一人でモンセラットに行ってきた。午前10時や11時に現地に着くと、とんでもなく混雑しているので、早朝出発作戦を決行。時差のおかげで朝早…

サグラダファミリア

2014年以来のバルセロナ、パンデミックを経てすっかり元の観光客でごった返す街に戻っていた。リセウ劇場に行くのが目的なので、ランブラス通り沿いに滞在した。まずは急速に工事が進んだサグラダファミリアへ。いつまでたっても完成は100年後と言われていた…

Lohengrin@the MET 18032023

朝のMET François Girard: Production Yannick Nézet-Séguin: ConductorTamara Wilson: ElsaChristine Goerke: OrtrudPiotr Beczała: LohengrinEvgeny Nikitin: TelramundBrian Mulligan: King's heraldGünther Groissböck: King Heinrich METの17年ぶりの新…

Boris Godunov at NNTT 15&23112022

新国立劇場で《ボリス・ゴドゥノフ》を上演するらしいという噂は数年前からあった。これまでの芸術監督だったら期待はできなかったが、大野監督は「バロックオペラとロシアオペラをシーズンプログラムに入れる」と宣言し、実際そうやってきた。そろそろガチ…

バウツェン行きと鉄道のこと

チェコの国境に近いゾルブ民族の町、バウツェンに行ってきた。 バウツェン駅 ゾルブ語にはチェコ語に近い言語とポーランド語に近い言語があり、バウツェンのゾルブ語はチェコ語に近い言語だ。ライプチヒからドレスデンまではICE、そこからはTrilexのTLで40分…

2年半ぶり海外遠征出入国について覚書

2020年2月以来の欧州渡航してきたので、出入国に関しての手続きについてメモしておきます。 厚生労働省ウェブサイトで水際対策のページを参照。現在外国は青・黄・赤のカテゴリに分けられている。今回出かけたドイツは青に分類されている。 www.mhlw.go.jp …

The Rocking Baritone by Bertrand Normand

先の記事からずいぶんと経ってしまいましたが、3/10からBertrand Normandのドキュメンタリー映画 The Rocking Baritone発表のためのクラウドファンディングが始まりました。 6年間かけて撮影し、約60時間に及ぶフィルムを編集したものです。最後の仕上げのた…

2020年

2020年はこれまでとはまったく様相の違う年になりました。3月に退職し、勉強してからフリーランスで働こうと考えていたところ、COVID-19のパンデミックによる経済的な対策(フリーランスや中小企業のためのセーフティネットとして元からあるものです)の実施…

Der Fliegende Holländer MET Live in HD

ロンドンから戻った時点では以前のSARS流行時とさほど変わらず、COVID-19も収束するだろうと考えていた。3月にはMETに行くつもりでもいた。ところが情勢は2週間ほどで劇的に変わった。METは3/12に劇場閉鎖と以降の公演を全て中止と発表した。この《さまよえ…

Tutankhamun: Treasures of the Golden Pharaoh at Saatchi Gallery 01312020

ロンドンのホテルに到着したのが、1月31日の午前10時前。前夜分まで宿泊予約はしてあったのですぐチェックインし、朝食もいただいてひと休みしてから時間予約しておいた「ツタンカーメン展」に出かけた。 tutankhamun-london.com 9月に行ったパリで開催され…

Siegfried at Royal Festival Hall 01022020

初訪問のロイヤルフェスティバルホールである。 ロンドンフィルは、これまで毎年一作づつリングの上演をしてきた。順番通りに行けば来年は《神々の黄昏》のはずだが、来年はサイクルで上演することになっている。 Vladimir Jurowski, conductorTorsten Kerl …

«Transcendere» Евгений Никитин のこと

Evgeny Nikitinは、膝の手術とその後の療養のため12月に予定されていたパリ・オペラの《イーゴリ公》と、来年1月のパレルモマッシモ劇場の《パルシファル 》出演をキャンセルしました。かなり長期間の治療になりますが、演奏会形式のオペラとマリインスキの…

Parsifal at Philharmonie de Paris 22092019

鑑賞の記録としてデータのみ書いておくことにします。 Orchestre et Choeur du Mariinsky Valery Gergiev, direction Mikhaïl Vekua, Parsifal Yulia Matochkina, KundryYuri Vorobiev, GurnemanzEvgeny Nikitin, Klingsor Alexeï Markov, AmfortasGleb Pery…

Iolanta at Philharmonie de Paris 21092019

朝のシテ・ド・ラ・ムジーク 奥の見えるのがフィルハーモニー 部屋からフィルハーモニーが見えた。朝早い時間、空がきれいだった。今回の「週末サンクトペテルブルク」は《イオランタ》と《パルシファル》ダブルビルではなく二日間のプログラムだ。昨年はリ…

サンルイ病院ムラージュ博物館

演奏会が目的のためその他ノープラン。でも今はSNSでいろいろと情報を教えていただける。一緒に演奏会に行く友人とランチの約束をしていたので、その前に何をしようか考えていると21、22日は「欧州遺産デー」とのお知らせが。メトロですぐ行けるサンルイ病院…

アエロフロート モスクワ経由パリ便

恒例化しつつある9月の秋分の日連休、今年もパリフィルハーモニーに行ってきた。 標題の航空便に乗るのは2回目。パリ直行かと思いきや、モスクワで降機して欧州国内便に乗換をしなくてはならない。実際乗ってみないと分からないので記録しておく。 これに…

白夜の季節のピーチェル街歩き

6月22日の夏至が白夜のピーク。それをすぎると少しづつ夜の時間が長くなり、私が行った頃は完全に暗くなるのは2、3時間というところだった。 宮殿広場から見えた花火 23:30 上の写真に写っているテントや四角い構造物は、翌日のネヴァ河マラソン大会のスター…

ピーチェルATM事情

間があいてしまったが、記録しておきたいこと。今回宿泊したエカチェリーナホテルは、日本領事館、エルミタージュ美術館、ネヴァ河のすぐ近くで夏は便利なところだった*1 チェックイン時点で支払いをすることにしたら、カードが通らなかった。私は普段Amexの…

Attila at Mariinsky II 30062019

カーテンコール 私はヴェルディの初期作品が苦手だ。どんなアリアでもぶんちゃかぶんちゃかしている。好きな歌手であるとかよほど上手い人が出ていないと、速攻で寝てしまうくらい。お芝居としてよほど面白い舞台だったらなんとか見ていられるかとも思うが、…

Gala concert of prize-winners of the XVI International Tchaikovsky Competition at Mariinsky II 29062019

Alexandre Kantorow (piano) France Mao Fujita (piano) Japan Dmitriy Shishkin (piano) Russia Kenneth Broberg (piano) USA Konstantin Yemelyanov (piano) Russia Alexey Melnikov (piano) Russia An Tianxu (piano) China Dohyun Kim (piano) Republic …

Tannhäuser at Mariinsky Concert Hall 29062019

マリインスキコンサートホール マリインスキ劇場は、旧劇場、新劇場、コンサートホールの3つのヴェニューを持っている。コンサートホールだけはバス停ひとつ分離れているが300メートルくらいの距離なので旧劇場まで歩いてもたいしたことはない。この日はま…

サンクトペテルブルク来てます

白夜の星音楽祭に来てみたくて、またやってきました。ゲルギー親分が今年バイロイトでも振るタンホイザー、チャイコフスキーコンクール入賞者ガラ、アッティラを観てすぐ帰る旅程。ちなみにZhenya のアッティラデビューの予定でしたが、キャンセル。ʅ(◞‿◟)ʃ

ボルドーまとめ

最終日は、ボルドー サン・ジャン駅前のホテルに泊まっていた。復路はメリニャック空港からヘルシンキまでのフィンエアの便があったのでそれで戻ることにしていた。駅とメリニャック空港までは直通バスがあるとのことで、それに乗るつもりだった。朝起きて身…

DIE WALKÜRE at l'Auditorium de Bordeaux 23052019

名演というのはそうめったにあるものではない。今回の《ワルキューレ》は、間違いなく名演のひとつだったと思う。メジャーなヴェニューでもなく、有名な歌手が出ているわけでもない。おまけにフランスの地方都市でワーグナーとは*1私のように歌手を選ぶ人以…