リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

Combattimenti 11102024@ Kammeroper Wien

David Bergmüller : conductor & lute
Olivier Fredj : video and stage director

Ferran Albrich Solà
Johanna Rosa Falkinger
Luciana Mancini
Ambra Biaggi
Ilyà Dovnar
Lazar Parežanin


この舞台作品は私にとってひとつの事件だった。バロックオペラファンの仲間とぜひ共有したい体験だったが、おそらく二度と出会えることはないものだと思う。ねらってこの作品を見に行ったのではない。ウィーンにいる日に何かおもしろそうなものを上演していないかな、とたまたま見つけた公演だったし、疲れてたら行くのはよそうかなと考えていたくらいだった。チケットはアンデアウィーン劇場サイトで管理されていたので、場所がまるっきり反対方向にある劇場だということも知らなかった。Kammeroper はシュテファン大聖堂のさらに先に行ったところにあり、ウィーン国立歌劇場からは歩いて 20 分弱くらい。ケルントナー通りを過ぎると急に人通りが少なくなる道の路地を少し入ったところにあった。

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Die tote Stadt 10102024@Bayerische staatsoper

Conductor: Lothar Koenigs
Production: Simon Stone
Paul: Klaus Florian Vogt
Marietta/Die Erscheinung Mariens: Vida Miknevičiūtė
Frank/Fritz: Sean Michael Plumb
Brigitta: Jennifer Johnston
Bayerisches Staatsorchester
Chorus and children's chorus of the Bayerische Staatsoper

 

ずっと聞いてみたかった Vogt さんパウル。よかったのはまずオケの音。実演きいたのは新国立劇場の上演しかなかったので、違いに驚いた。

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Orchestre de Paris / Stanislav Kochanovsky 09102024 @ philharmonie de paris

Orchestre de Paris

Stanislav Kochanovsky , conductor,
Golda Schultz , soprano

 ニコライ・ チェレプニン : 遠き王女 

モーリス・ラヴェル  : シェへラザード

チャイコフスキー  : 交響曲第5番

この日の朝、 CDG 空港に 8 時 35 分に到着、友人の厚意で午前 10 時からのジェネラルリハーサルに入れていただくことになっていた。
タクシーで空港からフィラルモニまで約 30 分、フライトは時間通りだったので余裕...のはずだったのだが、あいにくの雨降りで突然渋滞が始まった。 GoogleMap を見ているとどんどん到着時間が遅れていく 。なんとか 5 分遅れくらいでフィ ラルモニの前に着き荷物と傘を手に走って入口へ。待っていてくれた友人と荷物検査その他スタッフの方ありがとう。 そろっと中にいれてもらうと当然もうリハは始まっていて、ちょうどシェヘラザードを始めるところだった。ソリストはもちろん 5 ~ 6 分目くらいの音量で、出だしの歌い方を丁寧にさらっていた。こちらはリハーサルらしい何度かの調整をし 、チャイコの5番の方はするっと通していた。

本番が楽しみだねーと話しつつ外に出ると、雨がまたひどくなっていた。 近くでランチ後、メトロでオペラ地区のホテルまで移動してチェックイン。少し休んでから夕方また(今度はメトロで)本番鑑賞に出かけた。雨の日のパリ中心部を非常にあまく見ていたため、また到着がぎりぎりになってしまった。*1

*1:ホテル最寄りのメトロ出入口は券売機 等がない口で、先に買ってあったきっぷが改札を通らなかったのをどうしようもなく、別の出入口に行こうにも暗くて道がよくわからなくなっていた。おまけに道路は大渋滞でクラ クションを鳴らす車でうるさいうるさい。なんとかきっぷを買い直してホームに行くとこれまた大混雑。無理やり乗りこんでまたぎりぎりで会場に入ることになってしまった。 Oさんやきもきさせてほんとごめんなさいでした

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Münchner Opernfestspiele 2024

ぼやぼやしていたら、次のオペラ渡航が近づいてきた。あわてて記録。

7/15  スペードの女王

7/16  パサジェルカ

7/18  ヤクブ・ユゼフ・オルリンスキ リーダーアーベント

7/20  パルシファル

7/21  タンホイザー

今回のミュンヘンオペラフェスティバルで鑑賞したのは、以上5演目。一番の目当ては《パサジェルカ》この作品はかなりのレア演目とみなされているが、2023/24シーズンに急に上演される機会が増え、少なくとも3か所での上演があった。芸術監督なのにオペラを振る機会が減ったユロ兄の指揮ということも楽しみだったが、期待以上の素晴らしい演奏だった。基本はドイツ語だが多言語の作品で、ロシア語の合唱が秀逸。




《スペードの女王》は、ヘルマン役のBrandon Jovanovichが病欠で、Mikhail Pirogovが代役に立った。ロシア出身でつい最近もヘルマンを歌っている歌手がすぐつかまったのはまことにラッキーなことだ。

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Maxim Mironov recital tour in Japan 2024

  1. プロローグ    

    新型コロナパンデミックによる行動制限がようやく緩和されてきていた2022年末、オペラ仲間の友人Nさんから「マキシムに日本でリサイタルをする話をつけてきた。チケット販売など催事運営はクラシック名古屋に依頼する。できれば満席の会場で歌ってもらいたいので、広報について相談にのってほしい」と話をされた。
    私は「誰かを応援している人を応援する」ことをモットーとしているため、迷うことはなく、出来る限りの協力をする、と答えた。すでにツアータイトルとプログラムはマキシムが決めていた。その内容でリサイタルをしたい、という強い希望が感じられたし、日本のベルカントオペラファンが満足する内容だと思った。
    マキシム自身は何度か日本でオペラの舞台にのっているし、その際にかなりのファンを獲得しているはず、さらに日本ロッシーニ協会の後援も得られるということでツアー計画は始まった。

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Götterdämmerung at Opernhaus Zürich 09112023

私は《神々の黄昏》が好きだ。圧倒的にコスパがいいからである。Vogtさんのジークフリートデビューを聞いてみたいこともあって、出かけることにした。初日と二日目のきっぷを購入してあったのだが、初日には行かないことにしてミュンヘンに仕事で行っている友人に譲った。*1その友人はオペラを見るのが初めてだと言っていたが演劇をやっていたそうで「オペラがこんなに演劇的なものだなんて!」と感激していた。現代のオペラ歌手の演技力に心底仰天したらしい。「ジークフリートの人は、ただもんじゃない」と言うのに笑ってしまった。確かにVogtさんはただもんじゃないけど。

 

Siegfried: Klaus Florian Vogt
Gunther: Daniel Schmutzhard
Alberich: Christopher Purves
Hagen: David Leigh
Brünnhilde: Camilla Nylund
Gutrune: Lauren Fagan
Waltraute: Sarah Ferede
Erste Norn: Freya Apffelstaedt
Zweite Norn: Lena Sutor-Wernich
Dritte Norn: Giselle Allen
Woglinde: Uliana Alexyuk
Wellgunde: Niamh O'Sullivan
Floßhilde: Siena Licht Miller
Wotan: Wolfram Schneider-Lastin
Stunt: Valentin Lendenmann
Philharmonia Zürich
Chor der Oper Zürich

Music Direction Gianandrea Noseda
Producer Andreas Homoki

*1:ジャーナリストの研修で新聞社に籍を置いているので、担当分野は異なるが興味を持ってくれるだろうと思ったのだ

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