リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年のまとめ

趣味嗜好がちと特殊ということもあるが、居住地域では聴きたいものが少ないためふだん演奏会に行く回数はそれほど多くない。新国立劇場で見たのは『カルメン』『死の都』『パルジファル』。年明けに『オランダ人』の予定はしているが、来シーズン私の見るも…

The New Rijksmuseum: みんなのアムステルダム国立美術館へ

前作、『ようこそアムステルダム国立美術館へ』の続編…というか、2013年4月についに改修工事を終えて再開したアムステルダム、ライクスミュージアムの閉館していた10年間のドキュメンタリーのまとめ作品。よくぞ記録しておいてくださいました、という内容だ…

Christmas Concert 鈴木雅明オルガンリサイタル at 静岡音楽館AOI 13122014

鈴木雅明:オルガン澤江依里:ソプラノ布施奈緒子:アルト藤井雄介:テノール渡辺祐介:バス J.S.バッハのオルガン小曲とクリスマスのコラールの演奏会を聴きに、JR静岡駅前にある*1AOIホールに初めて行ってきた。駅のすぐ前で中央郵便局のビルの中にあると…

Winterrise: Mark Padmore, Tenor & Paul Lewis, Piano 08122014

Mark Padmore のシューベルト歌曲シリーズは2年前、東京でも演奏会があった。その時は『水車屋の娘』を聴きに行った。今回は名古屋にPadmore が*1初めて来てくれた。せっかくの機会であるのに、またここでは七分くらいの入りで、ほとんどがリートファンかピ…

LOHENGRIN at Dutch National Opera 26112014

Heinrich der Vogler: Günther Groissböck Lohengrin: Nikolai Schukoff Elsa von Brabant: Juliane Banse Friedrich von Telramund: Evgeny Nikitin Ortrud: Michaela Schuster Der Heerrufer des Königs: Bastiaan Everink Musical Director: Marc Albrech…

Angela Gheorghiu concert in Amsterdam at Het Concertgebouw 25112014

出発前夜にオランダ在住で私のバーチャル姉レイネさんから、コンセルトヘボウでのGheorghiuのコンサートのチケットが当たった*1ので行ける人いませんか、とメッセージがあった。私はちょうど空いている日なので、同じく他でもごいっしょするはずのKさんとと…

in Amsterdam and London

あわててふたつ鑑賞記事を先にアップしてしまった。 今回は前記のとおり、アムステルダムで『ローエングリン』2回、ロンドンで『イドメネオ』、さらにコンセルトヘボウで Angela Gheorghiu のコンサートを聴いてきた。収穫もすごくあった旅だったけど、予期…

IDOMENEO at Royal Opera House 24112014

アムステルダムで『ローエングリン』を観る間に一泊でロンドンに行き、コヴェントガーデンで『イドメネオ』の最終公演を観てきた。CTのFranco Fagioli がイダマンテを歌うし、Minkowski もROHデビュー。行かずばなるまい。前日オペラ後にMinkowski について…

LOHENGRIN at Dutch National Opera 23112014

I went to Dutch National Opera to see LOHENGRIN, directed by M. Albrecht and staged by P. Audi, on 23 and 26 Nov. This production premiered in 2002, generally beautiful staging. It is sophisticated, modern and has a bit of japanesque style…

Le feste d'Apollo by Christoph Willibald Gluck

今年はグルック生誕300年のメモリアルイヤーだが、さすがにモーツァルトやヴェルディ、ワーグナーと比べると盛り上がらないような気がする。生誕150年のリヒャルト・シュトラウスの作品のほうが多数上演されているのではないか。それでも、世界発録音の皇帝…

第九交響曲 モーリス・ベジャール振付・演出

ソプラノ:クリスティン・ルイスメゾ・ソプラノ:藤村実穂子テノール:福井 敬バス:アレクサンダー・ヴィノグラードフ栗友会合唱団 モーリス・ベジャール振付・演出によるベートーベン『第九交響曲』が、ズービン・メータ指揮、イスラエルフィルハーモニー…

Teodor Currentzis & MusicAeterna: Rameau -- THE SOUND OF LIGHT

CD

Teodor currentzis & MusicAeterna の『Cosi fan tutte』もすぐ発売されるが、その前に ラモー の舞曲アンソロジーである『The Sound of Light』が出た。私はドイツ初期バロックやバッハが好きで、フレンチバロックはあまり得意ではない。それに*1完全生産限…

Valery Gergiev & The Mariinsky Theatre Orchestra in Nagoya

at AAC Concert Hall, 16 October 2014 シチェドリン:お茶目なチャストゥーシュカチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番Daniil Trifonov アンコール、ドビュッシー:水に映る影チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』 マリインスキー歌劇場管弦楽団の名古…

ベルリン極私的おすすめ観光スポット

台風19号*1の影響で『ポッペアの戴冠』の兵庫県芸術文化センター公演に行けなくなってしまったので、思いつきで「旅日記」らしい記事を書いてしまおう。 私はベルリンの街が好き。ドイツの旧西側より東側に惹かれ、もとのベルリン国立歌劇場が大好きだ。しば…

The colour of pomegranates/ Ashik Kerib

パラジャーノフ生誕90周年記念映画祭での上映6本のうち、『ざくろの色』と『アシク・ケリブ』を観に行った。これらを映画館で観るのは初めてだ。 私は映画(映像)文法というものをよく知らないし、芸術や歴史の知識なんて無いに等しい。ただ自分が好きで…

松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて @世田谷美術館

新国立劇場に行く前に、世田谷美術館まで出かけた。 田舎もんの私にとっては、東京で上野や初台以外に行くのはたいへんハードルが高い。乗り換えが複雑で、日本語なのに読み解くのに時間がかかる。ルートを調べて行っても、当該路線の改札を探して右往左往す…

Parsifal at NNTT 05102014

Bühnenweihfestspiel PARSIFAL Amfortas: Eglis silinsTiturel: Hasegawa AkiraGurnemanz: John TomlinsonParsifal: Christian FranzKlingsor: Robert BorkKundry: Evelyn Herlitzius Conductor: Iimori TaijiroOrchestra: Tokyo Philharmonic OrchestraChor…

New Don Giovanni at Perm Opera & Ballet theatre

27日にペルミオペラのサイトで新演出『ドン・ジョヴァンニ』の*1ライブウェブキャストがあった。 ©Perm Opera & Ballet theatre すでに発売されて好評を博しているTeodor Currentzis & MusicAeternaの『フィガロの結婚』、と次の『コジ・ファン・トゥッテ』…

予習用 Parsifalなど

音楽界の2014/2015シーズンの始まり。新国立劇場では、10月にParsifalが上演される。予習音源は山ほどある作品だけど、自分用も兼ねて、ラジオ放送のを幕ごとに編集してアップロードしてみた。2008年パリオペラ座、Hartmut Haenchen指揮の公演*1。一幕は貼っ…

Leviathan: リヴァイアサン

ナレーション無し、音楽無し映画鑑賞第二弾。しかしこちらは、観るのが大変だった。 ニューベッドフォードの港から、遠洋に出る底引き網漁船に密着して撮られたドキュメンタリーなのだが…。青い海を進む船を上空から撮影とか、青い空を飛ぶ海鳥の群れとか、…

パルコ・デラ・ムジカ音楽堂でのコンサート

今年4月にローマのAuditorium Parco Della Musicaで、Concerto Le Mille e Una Notte(千夜一夜)というコンサートがあった。ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団の演奏で、当初はYuri Temirkanovの指揮で予定されていたのが、Stanislav Kochanovskyに変更…

Die große Stille (2005): 大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院

修道院文化に関心を持つ身としては、絶対はずせないでしょう…と観に出かけたはいいけれど、いつも観客7人とかの映画ばかしなのに、これはなんと70人超え!びっくりした。たしかに変わったドキュメンタリーではある。修道院側に要請により、ナレーションなし…

My new website

しばらくブログを休んでいた間に何をしてたかというと、これ作ってた。 Private Fan Site for Russian Bass-Baritone, Evgeny Nikitin 以前Wordpressで作成していたものがあったのだが、管理がけっこう*1めんどくさかった。なにかの不具合で稼働しなくなった…

The Demon (A. Rubinstein) ゲルギエフバージョン

ボケボケしてたら、8月になってしまった。私、夏は仕事がけっこう忙しいのである。どっか行ったりしないけど、近年は音楽祭の有名どころはウェブキャストがたくさんあり、それらを視聴するのは楽しい。 ところで以前、ハイキンのThe Demonの録音について記…

l’Orchestre Philharmonique Royal de Liège のCD3作

関心のある方がいらっしゃるかもしれないのと、写真の*1使用許諾をいただいたのでせっかくだからこちらにも記載。6月から7月にかけて、l’Orchestre Philharmonique Royal de Liège リエージュフィルハーモニー管弦楽団は、Respighi, Jongen, Wagner の作品…

Suor Angelica @Gran Teatre del Liceu 27062014

『修道女アンジェリカ』by ジャコモ・プッチーニ 台本はジョヴァッキーノ・フォルツァーノ あらすじ:17世紀末、とあるイタリアの修道院。時は*15月。美しい春の夕暮れ、修道女たちは庭でそれぞれのほしいものについて、語り合っている。「何も望むものはな…

Il Prigioniero @Gran Teatre del Liceu 27062014

@Antonio Bofill 『囚われ人』by ルイージ・ダラピッコラ 原作はヴィリエ・ド・リラダン「希望による拷問」リブレットはこちら⇒⇒⇒ あらすじ:囚われ人の母が、毎夜彼女に取り憑いている悪夢について物語る。それは恐ろしい独裁者の姿、フェリペ2世。 囚われ…

モンセラット修道院

モンセラットには列車から*1ケーブルカーに乗り換えて行くルートがある。その方法で行こうと考えていたが、バルセロナ中心地から出ている現地ツアーに入るほうが効率的ときいて、そちらに参加することにした。全行程約4時間、バスの往復の時間は2時間。お山…

バルセロナ

私はスターアライアンスのメンバーになっているので、今まではずっとルフトハンザを使っていたが、今回初めて*1フィンエアを利用した。行きの飛行機はがらがらで、真ん中の4席のシートはほとんど空いていた。乗継便が1時間半ほど遅れたため、バルセロナの宿…

Il Prigioniero / Suor Angelica @Gran Teatre del Liceu 25062014

異端宗教裁判所長、囚人、母 © Antonio Bofill それぞれの作品については、27日の2回目の鑑賞分に記載するとして、この記事では前置きと全体のざっとした感想を記録しておくことにする。 『囚われ人』『修道女アンジェリカ』のダブルビルは、バルセロナ、リ…