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リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

第九交響曲 モーリス・ベジャール振付・演出

ソプラノ:クリスティン・ルイス
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
テノール:福井 敬
バス:アレクサンダー・ヴィノグラードフ
栗友会合唱団

モーリス・ベジャール振付・演出によるベートーベン『第九交響曲』が、ズービン・メータ指揮、イスラエルフィルハーモニー管弦楽団、東京バレエ団とモーリス・ベジャールバレエ団により、上演された。

11/8、9の両日、3回のうち最終公演に出かけた。
幼少の頃、テレビで見た当時20世紀バレエ団と称していたベジャールのバレエ団が大好きだった。
ジョルジュ・ドンの『ボレロ』は日本公演を見に行き、『ディオニソス』でワーグナーの音楽を知り、と、今の私に少なからず影響を与えたのが、ベジャールバレエローザンヌ(BBL)なのだ。

オペラに行くようになってから、バレエのほうはあまり見なくなってしまった*1ので、久しぶりにわくわくと出かけた。

プロローグではジル・ロマンがニーチェのテキストを朗読した。彼のその姿を見ただけで妙に感慨深い気持ちになってしまった。ベジャールの強烈なカリスマと天才を、今もBBLで見ることができるのは、彼の努力と采配だと思う。
ディオニソス的なこの作品のとっかかり、そして最初にその世界への案内人としてのジルのたたずまいも、素晴らしかった。 

第一楽章、第二楽章はちょっと期待はずれな気分になってしまった。おそらく過去の記憶は美化されるし、ベジャール存命の頃のダンサーはかなり強烈な個性を持っている人ばかりだったということもあり「こんなのだったっけ?」という気持ちがなかなか消えず、困ってしまった。なんとなくこじんまりとゆるい雰囲気が流れているような。
だが、第三楽章でジュリアン・ファヴローが現れた時、がらりと変わった。ジョルジュ・ドンのように見えたのだ。求心力があり、非常に力強いパフォーマンス。
そして、私はやはり「音」や「リズム」を表現するコンテンポラリーが好きなのだ。特に今回の第四楽章ではバス、テノール、メゾ、ソプラノにも対応するダンサーがいるので、「声の姿」を見ているようで、興味深かった。
舞台の前半分がダンス用のフィールドで、オケ・ソリスト・合唱はその奥の段上に位置する。私の席が3階で遠かったこともあり、ソロ部分はあまりよく聴こえてこなかった。
合唱も独唱も響きで聴くものであるのに、その響きが感じられなかったのだ。
音楽を聴く点では席選びがちょっと失敗だった*2
この作品はあまり上演される機会がなかったが、さもありなん。見るとそれがよくわかる。必要な人数の多さもさることながら、生演奏でダンスと合わせるのはものすごく難しいのではないか。指揮者はバレエも振ることがあるだろうが、歌が入ってこれだけの人数のダンスを一致させるのは並大抵のことではないだろう。
上演後のアプローズ、金粉?金色の紙吹雪?が舞い、とてもきれいだった。メータ師もとても満足そうで、これを体験することができた私たちも幸せだった。
次にいつか上演される機会はあるだろうか。モーリス・ベジャールの偉大な遺産として、またこの舞台がかかることがあったらいいなと思う。

貴重な公演ということで、Medici TVで11/15に放送がある。

 


Maurice Béjart, Ballet Beethoven's Symphony No. 9 ...

日本では12/22日0:00~(21日のプレミアムシアター枠)NHK BSプレミアムで放送されるため、Medici TVでは見られない仕様。

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終演後、初めてNHKホールの楽屋口に行ってみた。全公演通った友人といっしょだったのだが、なんと!「今日はありません*3」と無碍に警備員に追い返されてしまった!

*1:それでもコンテンポラリーの話題作は気になって、見に行くものもある

*2:エコノミー券がはずれたうえ、半額チケットが出る前にきっぷを買ったので…ちょっとショック

*3:何が?出待ち対応がってことか