リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

DNO《サロメ》テレビ放送あります&レパートリーの話

DNOの《サロメ》が、めでたくNHKプレミアムシアターで放送される。

www4.nhk.or.jp

9/11深夜である。
たぶん放送されるんだろうな、と予想はしていたが、こんなに早くあるとは思わなかった。たいへんうれしい。誕生月にはいいことがある。

favouriteは、ホームであるマリインスキ劇場ではイタオペも歌うが、よその劇場ではほぼロシアオペラかワーグナーに特化してオファーがある。
降板してしまったが、バイロイト音楽祭に出演が決まった時に「初のロシア人タイトルロール」と言われた。さもありなん。
最近気付いたのだが、オペラファンの中で知名度の高く評価も高いロシア人歌手というのは、ロシアオペラ以外なら、ほとんどイタオペがレパートリーなのだ。
以前favouriteが、10年かけてスラブ風の発声を変え、ドイツ語のヴォーカルコーチにもついていると話していたが、彼のドイツ語ディクションはドイツ人が聞いても「ほぼ完璧」と言うほどのものだ。
しかし、彼がいくらワーグナーが得意といっても、優れたドイツ人バリトンは山ほどいるので、なかなか諸役回ってこないのが残念だ。
また、先日バルト海音楽祭で《パルジファル》第3幕と《ラインの黄金》のコンサート形式での上演があった。マリインスキ劇場のオケとソリストでの公演だった。ここでは彼はアンフォルタスとヴォータンを歌った。いずれもよその劇場ではなかなかオファーがない役だ。アンフォルタスはCD録音もふたつあるが、いざ劇場公演となるとクリングゾル役ばかりオファーがある。来年などほぼ連続で《パルジファル》三昧になるが、いずれもクリングゾルを歌うことになっている。*1ヴォータンは、私の記憶が確かならば、マリインスキのホームおよび引越し公演以外ではライプチヒオペラでしか同役を歌ったことはないはず。
なんかワグネリアン方面から「いいヴォータン役がいない」という声が聞こえてくることがあるが、彼のようにどっかの劇場アンサンブルに埋もれてるかもね。

 

 

*1:MET、ベルリンフィル、パリオペラ