リュドミラ音楽・ひとり旅日記

Give every man thy ear, but few thy voice.

マリインスキー劇場《セミョーン・コトコ》映像発売(今年の誕生日プレゼント)

プロコフィエフ生誕125年の今年、またしても私のお誕生月のプレゼント?とても嬉しいお知らせがありました。(Lyudmila、狂喜乱舞状態です)

プロコフィエフのレアオペラ《セミョーン・コトコ》のマリインスキ―上演版の映像メディアリリースです。しかもいきなり日本語字幕付き!*1

tower.jp

なんか、タワレコのあらすじ?が意味不明なのですが…

《セミョーン・コトコ》についての当ブログ過去記事はこちら

 

lyudmila-galahad.hatenadiary.jp

ソビエトのプロパガンダオペラなので、《エフゲニー・オネーギン》のような作品が好きな方にはリジェクトされるかも、とは思います。
しかし、音楽そのものは違います。情景を語る音楽、素朴で民俗的なメロディーを軸に広がるプロコフィエフ独特のクールでアバンギャルドな音符。
《炎の天使》の楽譜ともまた違うおもしろさ満載です。
なにしろ、ロシア以外で上演されることなどない作品です。これを機にいっきに知名度があがるといいと思います。

なお、11月にはアムステルダム、コンセルトヘボウでユロ兄指揮により、演奏会形式での上演もあります。

www.concertgebouw.nl

 ほんとに今年はツイてない、と思うことばかりでしたが、ここしばらくはニコニコです。わ~い!

*1:実はこの作品、邦訳がなかったので翻訳してみようとがんばっていたのですが、しょっぱなでつまづいて放置状態だったのでした。旧ソ連などの政治的、歴史的背景と用語がわからないと適切に訳すのはかなり困難だと思います。この盤で勉強できると思うとわくわくです。

Der Rosenkavalier at Bayerische Staatsoper 17072016

ミュンヘンオペラフェスティバルの各演目のきっぷは、あらかじめリクエストをしておくことになっている。私はまず《炎の天使》のリクエストを入れておき、そちらの確保ができてから《ばらの騎士》の希望を入れた。しばらく経って、BSOから「☓☓のお席を取れました。なお~~」というメールがきたので、よく読みもしないで「あ、とれたんだ。良かった」と放置。いっこうにきっぷが郵送されてこないため、問合せをしようとして再度メールを読んでみた。なんと席はとれたが引き落としのクレジットカード番号が間違っていたようで、正しいものを知らせないとリリースされるという内容だった。期限は過ぎ、きっぷはとっくに流されていた。Die Frist ist um!
17日のきっぷは完売になっていたがあきらめきれずに、ミュンヘン在住の友人に頼ってみた。BSOのフォーラム内にあるチケット売買プラットフォーム*1を利用して、首尾よく取ってもらうことができた。

きっぷの受渡しや代金のやりとりは、やはり外国からだと難しい。友人にはお手数をかけてしまったが、ほんとにありがたいことだった。

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The fiery Angel at Bayerische Staatsoper 16072016

バイエルン国立歌劇場の《炎の天使》は、昨年11月にプレミエ。もちろんミュンヘンでは初めて上演される作品だった。*1
その一年前にfavouriteから出演すると聞かされてから、楽しみに待っていたがプレミエの時点では現地に観に行くことはできなかった。半年以上経て、オペラフェスティバルのこの公演を見られる算段がついたことは、とても嬉しかった。

あらすじ:16世紀のライン地方、騎士ルプレヒトはとある宿屋で、そこの女将が「悪魔憑き」だと語る女性レナータに出会う。レナータはルプレヒトに自分の生い立ちとここにいる理由を語る。彼女は幼い頃に会っていた炎の天使マディエルが人間の姿になったと信じるハインリヒ伯爵の恋人になるも捨てられてしまった。その後も彼を探し、追いかけていたのだ。レナータに惚れ込んだルプレヒトは、彼女とハインリヒ伯爵を探す旅に出る。その後ケルンでハインリヒ伯爵を見つけるが、拒絶されてしまう。伯爵と決闘をさせられたルプレヒトはそれによって怪我を負う。レナータはルプレヒトの求婚も退け、自殺を試みた後に修道院に入ってしまう。彼女が入って来てから起こる異変を不審に思った修道院長は異端審問官を呼び寄せる。審問官から魔女認定をされたレナータは処刑される。

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物語の舞台となる中世におけるオカルティズムと、作曲された年代に台頭していたスピリチュアリズム*2が交錯し、この作品を特異なものにしている。

Musikalische Leitung: Vladimir Jurowski
Direction: Barrie Kosky

Renata: Svetlana Sozdateleva
Ruprecht: Evgeny Nikitin
Inquisitor: Goran Jurić
Mephistopheles: Kevin Conners
Agrippa: Vladimir Galouzine
Hotel Manager: Heike Grötzinger
Fortune Teller: Elena Manistina
Abess: Okka Von Der Damerau

*1:近年ドイツと近辺の劇場で上演されることはあったが、そもそもめったに上演されるような作品ではない

*2:作品の中に、当時流行していた心霊術も出て来る

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ミュンヘン行ってきました

7月15日から18日までミュンヘンに行ってきました。
目当てはもちろんミュンヘンオペラフェスティバル。プレミエを観損ねた《炎の天使》とスタンダード人気演目《ばらの騎士》。
私が行くまでは、雨続きで肌寒い日が続いていたようですが、到着した日からは晴れました。私は晴れ女なので。
ミュンヘン在住の友達とオペラを観たり、ビール飲んだり、ホテルでオペラ遠征の方とお知り合いになったり、と短い間にも楽しく過ごせました。
パフォーマンスはもちろん上々。何よりユロ兄の生プロコ、指揮っぷりのカッコよさにびっくりでした。
カテコビデオをアップしてあります。

youtu.be

感想はまたぼちぼち。

 

バイロイト音楽祭降板の簡略史

バイロイト音楽祭における今年の新演出演目《パルジファル》の指揮者が、Andris NelsonsからHartmut Haenchenに代わった件*1受けて、DWがこんな記事を出した。
同様の記事がいくつか出ているが、私が見たうちではこのDWのが最も速かったので、ここが元だと思う。

news.ge

*1:若い指揮者いなくなっちゃうじゃん…Axel Koberがいたか…

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ゲルギエフとLSOのベルリオーズ《ロメオとジュリエット》録音、発売されます

2013年11月にロンドン、バービカンホールで上演されたベルリオーズの《ロメオとジュリエット》のCDが発売されることになった。今年はシェイクスピア没後400年記念の年でもあるし。
これは当初出演予定のI. Abdrazakovが降板したため、ちょうどその時期パリオペラに出演していた私のfavouriteがドタ出*1したものだ。

tower.jp

棚ボタっぽいかんじで、とってもうれしい。

*1:この公演はパリとロンドンであった。非常に都合がよい状況だった

Fidelio in Wiener Festwochen at Theater an der Wien 20062016

前夜から雨。それと同時にある出来事があって、私はひとりで大泣きしていた。
朝になってもめそめそしていたが、この日の公演には大好きな友人とふたりで行くことになっていたのでそれが救いだった。
この日はミントグリーンの細かい縦縞の木綿着物に長尺の半幅帯。平土間最前列の下手よりの席をとっていた。通常最前列は足元に余裕があるものだが、TAWのそこは非常に狭かった。オケピとの境がすぐ近くになる。真ん中は絶対指揮者の頭がジャマになるだろう。私の席からはミンコさんの横顔がいい具合に見えた.....ヾ( 〃∇〃)ツ キャーーーッ♪

FIDELIO by L.V.Beethoven

Musikalische Leitung: Marc Minkowski
Inszenierung, Bühne, Licht: Achim Freyer
Dramaturgie: Moritz Lobeck
Leonore: Christiane Libor
Florestan: Michael König
Don Pizarro: Jewgeni Nikitin
Rocco: Franz Hawlata
Marzelline: Ileana Tonca
Jaquino: Julien Behr
Don Fernando: Georg Nigl

Les Musiciens du Louvre
Arnold Schoenberg Chor

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